315 「ニューグラス」への道(その32)

ニッティ・グリッティ・ダート・バンドの『アンクル・チャーリーと愛犬テディ』

ニッティ・グリッティ・ダート・バンドはジェフ・ハンナ、ジミー・ファッデン、ラルフ・バー、レス・トンプソン、ブルース・カンケル、ジョン・マッキューエンの6人からなるカントリー・ロック・バンドです。結成は1966年なのだそうですが、リバティ・レコードと契約し1967年に発表されたのがバンド名をタイトルにした『ニッティ・グリッティ・ダート・バンド』(Nitty Gritty Dirt Band)でした。

当初こそボブ・ディランの活動によって脚光を浴びることとなったアメリカの伝統音楽に目を向けた彼らの音楽はそこそこの注目を浴びるものの、同年『Ricochet』、翌年には『Rare Junk』とアルバムを発表するにも拘らずアメリカの古き時代の伝統音楽をベースとする彼らの音楽は一般受けしなかったのか低迷し、1969年に発表されたライブ盤『Alive!』を最後に彼らは一時解散してしまいます。

a0038167_12210583.jpg2人のメンバーが抜けてジミー・イボットソンが加入し5人編成となった彼らは再び集結し、1970年に2年振りに心機一転、再デビューの意気込みを持って制作したのがアルバム『アンクル・チャーリーと愛犬テディ』(Uncle Charlie & Hid Dog Teddy)でした。

それまではジャグバンド的要素や、ポップ、フォーク・ロック的な側面を強く打ち出していたのですが、このアルバムからはカントリー、ブルーグラス色を強めています。さらにマイク・ネスミス作の「シェリーのブルース」(Some Of Shelly’s Blues)、J.J.ウォーカー作の「ミスター・ボージャングルズ」(Mr. Bojangles)、ケニー・ロギンス作の「プー横町の家」(House At Pooh Corner)を含む4曲など、シンガー・ソングライターの作品をアレンジして聴かせるといった、当時のロック・シーンの“伝統的な音楽への回帰”という現象に呼応した作りとなっています。

さらにアルバム全体を支配しているのがジョン・マッキューエンの弾くバンジョーです。これが作品の性格を決定づけています。

アメリカの古き時代の伝統音楽とポピュラーなロックのメロディーを見事に融合させたこのアルバムは高い評価を受けて、アルバムからは「ミスター・ボージャングル」、「プー横町の家」などのシングル・ヒットを生み出し、またアルバムもグラミー賞にノミネートされるなど、それまでの彼らのどのアルバムよりも商業的に成功したアルバムとなりました。


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# by scoop8739 | 2018-09-10 12:21 | Road To New Grass