「ビートルグラス」(Beatlegras)の第1弾アルバムはややスローな曲が多かったのですが、翌2007年にはブルーグラスの魅力が全開のアップ・テンポな演奏を聴かせてくれる第2弾アルバムをリリースします。このアルバムは彼らのオリジナル曲を3曲ほど含んだ全12曲で、「プリーズ・プリーズ・ミー」を始め、前期から中期までの名曲で構成されています。 さらに2008年には第3弾アルバム『完璧な世界で』(In A Perfect World)をリリースしました。 ところがデイヴは2011年にバンドを一旦解散し再出発を図ります。新生バンドは「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ブルーグラス・バンド」(Sgt. Peppers Lonely Bluegrass Band)と名乗りメンバーを一新しました。 このバンドも「ブルーグラス」とは謳っていますが単なるブルーグラスではありません。今回はジャズに加えクラシック音楽によるひとひねりがありとても新しいサウンドを創り出しています。 https://www.youtube.com/watch?v=YJZqHdqQ2KY/ 新生グループの一人はバイオリンとヴォーカルのレジナルド・ルーファー(Reginald Rueffer)でした。彼は正式なクラシック・バイオリンのトレーニングを受け、高校時代にはオール・ステート・オーケストラのメンバーにまでなっています。 そしてノース・テキサス大学で音楽教育学位を取得した後に、突然フィドル・プレイヤーとしてチャーリー・プライドのバンドで13年間に亘りツアー・サポートとして過ごします。しかしこの間もクラシック音楽とビートルズへの愛を失うことはありませんでした。 二人目はベースとヴォーカルのバッハ・ノーウッド(Bach Norwood)です。幼い頃から歌と楽器演奏を始め、学校や大学ではクラシック音楽とジャズを学んでいます。 ジャズに対する愛が加速するにつれて、彼はノース・テキサス大学に転入してジャズ・スタディーズで学士号を取得しベースの演奏に集中しました。 彼は現在もテキサス、オクラホマ、そしてルイジアナのオーケストラやジャズ・バンドで演奏活動を続けながら、このバンドでも活動をしています。 さらにもう一人メンバーが、バンジョーやマンドリンなどを上手く操るブルーグラス界ではベテランの一人ジェラルド・ジョーンズ(Gerald Jones)でした。 彼はテキサスの音楽界で天才マルチ・プレイヤーとして有名です。ジェラルドはフルタイムの演奏家でマイケル・マーチン・マーフィー(Michael Martin Murphy)、ジョン・ハートフォード(John Hartford)、マーク・オコーナー(Mark O'Connor)、ヴィンス・ギルの所属していたレイジー・リヴァー(Lazy River with Vince Gill)、さらにカントリー歌手のウィル・バーンズ(Will Barnes)とレッド・スティーガル(Red Steagall)などさまざまなバンドで演奏していました。 このようなメンバーでスタートしたバンドはみるみるアメリカとイギリスで評判を集めるようになります。 さて、「ビートルズ・ソングをブルーグラスで」の最後にまた違った雰囲気を持つブルーグラス・バンドを2、3紹介しましょう。 一つ目はちょっと怖い面々「ヘイシード・ディキシー」(Hayseed Dixie)が2007年にリリースしたアルバム『ブルーグラス破壊兵器』(Weapons Of Grass Destruction)の5曲目に収録されている「いちご畑よ永遠に」(Strawberry Fields Forever)でした。 https://www.youtube.com/watch?v=nHIyi3Yo1g8/ 二つ目は「グリーンスカイ・ブルーグラス」(Greensky Bluegrass)が2009年にリリースした2枚組ライヴ・アルバム『オール・アクセス・ヴォリューム1』(All Access Volume 1 11.27.09)の2枚目の3曲目に「日常の一日」(A Day In The Life)を収録しています。 https://www.youtube.com/watch?v=tE_q5wR-lDM/ 三つ目は「リル・スモーキーズ」(The Lil’ Smokies)が2018年にストリーミング配信した「三文作家」(Paperback Writer)です。 https://www.youtube.com/watch?v=RxczRNFh_pM/ これらのバンドに共通しているのはブルーグラスの中にロックの雰囲気が感じられるということです。 #
by scoop8739
| 2019-06-05 09:37
| ビートルズ・ソング
|
カテゴリ
全体 序文 プロローグ ブルーグラスの歴史 演奏スタイル Who's Who 不朽の名曲 名盤探訪 泡沫アルバム探訪 際ものアルバム 同時代の音楽 バンドの歴史 カントリー・ジェントルメン セルダム・シーン カントリー・ガゼット ニューグラスへの道 ビートルズ・ソング ベンチャーズ・ソング ディラン・ソング クリスマス・ソング 月をタイトルにした歌 「and」の曲 「from」の曲 「LOVE」の曲 「GOLD」の曲 TRAIN SONGS 牛を歌った曲 異ジャンル交流 とんこつラーメン論 ブレイク・タイム エッセイ エッセイ 以前の記事
2024年 02月 2024年 01月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 フォロー中のブログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||