45号列車(Train 45)
スタンレー・ブラザーズの十八番曲がこの「45号列車」でした。ラルフの「ジョージア州アトランタのトランメル駅を出発する45号列車に全員乗車!」というかけ声を合図に演奏がスタートします。そしてカーターを狂言回しにダウン・ホームな寸劇が展開されます。
この寸劇に登場するのはカーターを始め、「タウザー・マーフィー」ことアル・エリオット(Al Elliot、ベースとヴォーカル)、「ダット・ネイチャー」ことビル・ネイピア(Bill Napier、マンドリン)、「フィドリング・メーヨー」ことラルフ・メーヨー(Ralph Mayo、フィドル)の4人でした。ラルフはバンジョーに専念したため寸劇には参加していません。
「どこへ行くんだい?」というカーターの問いかけに、「俺たちはヴァージニア州ディッケンスン郡の山の小さな農場に帰るんだ」と言うように、それぞれが故郷の地名で応えています。なおこの曲は、彼らが1959年にリリースしたアルバムのA面6曲目に収録されました。
https://www.youtube.com/watch?v=pA6wUkP2eDU/
もともとこの曲は1927年、東テネシー州の盲目の大道芸人、G.B.グレイソン(Gilliam Banmon Grayson)によって作られ、彼がヘンリー・ウィッター(Henry Whitter)と共にレコーディングしシングル盤としてリリースしています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZJL03BdPPbM/
グレイソンが書いた曲のほとんどは、昔からの歌に基づいて作られていました。この「45号列車」はバンジョー曲「ルーベン」(Reuben)から派生したものです。
ジミー・マーチンは1962年にリリースしたアルバム『カントリー・ミュージック・タイム』のA面5曲目にこの曲を収録していました。
https://www.youtube.com/watch?v=UhuiJI4xa-w/
メンバーはジミーを筆頭に、マンドリンのポール・ウィリアムス、バンジョーのポール・クラフト、ベースのジュニア・ハスキーによる4人編成です。
この演奏スタイルはジミー・マーチンの下で演奏活動をしたJ.D.クロウやビル・エマーソン、ドイル・ローソンらに引き継がれていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=WEdaMFgT8gc/
https://www.youtube.com/watch?v=UhekaLMdGlM/