354 愛しの泡沫アルバム(その18)

「カッタプス」を名乗るバンドいろいろ

ブルーグラスのバンドで初めて「カッタプス」(Cut ups)を名乗ったのは誰だったのでしょうか?

「cut up」というのは「切り刻む」とか「切り込む」という意味があります。これは「ブルーグラス=青草」という言葉があるのを前提として名付けられているのだと思われます。

ずばり「Bluegrass Cut ups」を名乗ったのはダン・リーノと別れてバンドを組んだレッド・スマイリーでした。ご存知の通り、1952年にダンとレッドが初めて組んだバンド名が「テネシー・カッタプス」(The Tennessee Cut ups)。この時点ではダンもレッドもビル・モンローのバンドに遠慮してか、「ブルーグラス」を名乗らず暗にそれと思わせるように「Cut ups」だけを使ったようです。

ところが「ブルーグラス」がビル・モンローのバンド名だけではなく、一般的に音楽のジャンルとして確立された1960年代になると、レッドは堂々と「Bluegrass Cut ups」をバンド名としたのでした。

以来、「カッタプス」はブルーグラスのバンド名に良く使われるようになります。知っているところだけでも「カントリー・カッタプス」、「ケンタッキー・カッタプス」、「シェナンドー・カッタプス」、「ヴァージニア・カッタプス」といろいろあります。

「カントリー・カッタプス」名義では1956年に「クリフ・ウォルドロンとカントリー・カッタプス」が「インディアン・ママ」(Indian Mama)というロカビリーのシングル盤をリリースしています。これはどうも私たちの知るあの「クリフ・ウォルドロン」ではないようです。

a0038167_10583158.jpg次に登場するのが1966年に『日暮れのブルーグラス』(Bluegrass at Sunset)をリリースしたケンタッキー・カッタプス」でした。このバンドはバンジョーとヴォーカルのノラ・ホーラン(Noah Hollan)、フィドルのハーブ“ソニー”コリンズ(Herb 'Sonny' Collins)、そしてベースのメル・ホゥック(Mel Houck)で、ギターとマンドリンは不明の5人編成です。しかしながらバンドはこのアルバム限りで姿を消し「泡沫バンド」となっています。

https://www.youtube.com/watch?v=ODmr0ZKLdLA&t=383s

a0038167_10584336.jpg続く1967年に『カントリー・カッタプスは大学に行く』というアルバムで登場したのが、のちにバンジョーで名を成すエド・シェルトン(Ed Shelton)と、ギターのトラヴィス・ステュワート( Travis Stewart)、マンドリンのビリー・ポック(Billy Pogue)の3人組でした。エド以下はその後に名前が挙ってこないので、これもまた「泡沫バンド」となっています。

https://www.youtube.com/watch?v=4r1jS1jNYYM&t=60s

どの音源もYoutubeにて佐生武彦さんがアップして下さってる「Take’s Bluegrass Album Channel」で聴くことが出来ます。


# by scoop8739 | 2019-02-11 11:03 | 泡沫アルバム