フォークウェイズへの録音 (1)
ジェントルメンは、チャーリー・ウォーラーの野太いボーカルとジョン・ダフィーの甲高く力強いテナー、そして太く響くエディ・アドコックによるトリオ・コーラスに磨きをかけ、今までにないブルーグラス・コーラスのスタイルを確立します。 また一方で、ジョンと彼の親しい友人ピート・カイケンダルの二人は、議会図書館などで見つけた古いカントリーのレコードから、人々に忘れられたようなヒルビリー・ソングを発掘し、ブルーグラスにアレンジして演奏する方法をとります。さらにスタンレー・ブラザーズの非公式の演奏やライブでの演奏をテープに録音し、これらをモダンにアレンジして彼らのレパートリーとしていました。 そんな中、ジョンはスターディ社にアルバムの制作を持ちかけます。しかしその頃のスターディ社はまだまだ余力がなく、よく売れるであろうと思われるオムニバス盤やスタンレー・ブラザーズ、カール・ストーリーなどのビッグ・ネームのアルバム制作にしか興味がありませんでした。そこで彼は、中学からの友人でありニュー・ロスト・シティ・ランブラーズとしてフォークウェイズ社に実績のあるマイク・シーガーの伝手を便って同社へ売り込み、これに成功します。こうして録音されたものが「カントリー・ソング・オールド・アンド・ニュー」というアルバム・タイトルでリリースされます。 このアルバムは、日本ではアメリカに遅れること4年後の1964年9月に発売されますが、その時に「モダン・ブルーグラスの華」というタイトルがつけられています。つまり、古いカントリー・ソングを当時としてはかなりモダンなサウンドにアレンジしたものだったのです。こうして前年から発売されていた一連のアルバムによって、当時の大学生(どうも関東に偏っていたようですが…)などに受け入れられ、我が国に空前のカントリー・ジェントルメン・ブームが沸き起こったのでした。 人気blogランキングへ
by scoop8739
| 2006-02-13 21:39
| カントリー・ジェントルメン
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