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160 ナイトウォーク

(Nightwalk)

信じられないでしょうが、昔、こんな話を聞いたことがあります。

大学時代、音楽サークルの後輩におかしな症状を持つものがいた。彼の話では、自分は昔から夜中に寝ながらにして叫んだり家の中をうろついたりする奇妙な病気に悩まされていると言う。そんな話を聞かされていたある日、私は彼と一晩同部屋ですごす機会ができた。別にその症状を目の当たりにしようといった怖いもの見たさではなく、ちょうど学園祭の最中で、翌朝早くから校内で演奏するために数人でキャンパス近くの部員の下宿部屋になだれ込んだというだけの理由で、むしろしかたなくでありその後輩の症状については誰もがすでに忘れていた。

…さらに話は続きます。

酒のせいもあって、ほとんどの部員が寝てしまっている中で、私を含め2,3人はいまだ音楽談義に花を咲かせていた。するとベッドで既に寝ていたその後輩が突然ムクッと起き上がった。「何だ、起こしちゃったのか?」と誰かが言った。しかし様子がおかしい。目はうつろでフラフラと頭が揺れていて、丁度何かで見た薬物中毒の人間の様である。何かを探しているしぐさを見せていたが、ふと脇に立てかけてあったベース・ギターに目を止め、それをかかえて弾き出したのである。しばらくして手を休め、「せんぱーい!弾けないっすよお…」と一言、そのまま倒れ込んでしまった。恐る恐る覗き込むと、なんと彼は熟睡していたのである。始めは、コイツの言っていたことは本当だったのか!とみんなで大笑いだったのだ。

ずいぶんと長い前置きでしたが、「ナイトウォーク」ってそんなテーマの曲でしたっけ?

a0038167_2021635.jpgカントリー・ジェントルメンの“ジャズ路線”つながりのトリをとるこの曲は、バンジョー・パートのエディ・アドコックの作曲です。ベースのリフに乗って、ペプシ・コーラのビンを釘でたたいてリズムをとるピート・ロバーツ(カイケンダール)、それに続いて軽快なエディの非ブルーグラス的なバンジョー、さらにジャージーなジョン・ダフィーのマンドリン・プレイ。これは当時(1960年代前半)のブルーグラスの範疇を越えていました。そこで世間はこれを「ブルーグラス・ジャズ」と命名します。

この曲に見られるように、ブルーグラスには珍しいアドリヴまがいのフレーズが斬新だったのでしょうか、当時、彼らが演奏活動していたコーヒー・ハウスなどには現役のジャズメンがわざわざ聴きに来ていたと言われています。なお、この曲は2度録音されています。1度目は1963年4月にスターディにおいて、そして2度目が同年9月、あのマーキュリーの名盤「フォーク・セッション・インサイド」のための録音でした。

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by scoop8739 | 2006-01-06 20:05 | 不朽の名曲 | Comments(2)
Commented by カーノ at 2006-01-07 00:18 x
こんばんは、
前置きの話に反応してしまいました。
その昔、
4人いる息子のうちある1人が(彼の名誉のため何番目かは伏せます)
夜中に突然起きて部屋の中をぐるぐる走り回って、ことっと布団に倒れこむようにしてそのまま眠ってしまったことが何度がありました。
はじめはびっくりしましたが、その内慣れてきて、大きくなると知らぬ間にそんなことはしなくなったので忘れていました。
読みながら、そのことを思い出していました。

なんだかこの曲がとても気になってきました。

音楽の話でなくてごめんなさい。

あ!遅くなりました。
新年おめでとうございます。今年も楽しく読ませて頂きます。
Commented by スコップ at 2006-01-07 09:54 x
カーノさん、いらっしゃい!
そして明けましておめでとうございます。
「夢遊病」っていうのでしょうか、言葉では聞いたことがあるのですが、今回も人の話の又聞きで、実際にそんな人にあったことはありません。でも一度はお目にかかりたいものです。どんな様子なのでしょうねぇ?
「ナイトウォーク」って、たぶんそんな状態のことなのでしょうか? それとも単に「夜歩く」ことなのでしょうか? そういえば「ナイトウォーク・ラリー」というものもありますよね?
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