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731 愛しの泡沫アルバム(その104)

パシフィック…リー・ブルーグラス(Pacific…ly Bluegrass)

1950年代後半から60年代初頭に興ったフォーク・リヴァイヴァルは、多くの人々を山岳地帯に残る古民謡やブルーグラス音楽に目覚めさせます。ところが1960年代中期のイギリスからの音楽的侵攻によって彼らは頭から冷水を浴びさせられました。

731 愛しの泡沫アルバム(その104)_a0038167_16220946.jpg1960年代後半から70年代前半にかけて、アメリカは変化の時代を迎えます。ベトナム戦争が激しさを増す中、学生たちはそれに反対行動を起こします。老いも若きも時代の興奮と混乱の中で音楽とライフ・スタイルにおける信憑性と確かな価値観を探していました。

サンディエゴで「スコッツヴィル・スクィレル・バーカーズ」(Scottsville Squirrel Barkers)のようなバンドがブルーグラスを演奏していたのはこの時期のことでした。

その後、旧市街にある楽器店でジャム・セッションが行われるようになり、サンディエゴ州立大学でも1968年にフラットとスクラッグスを呼び、またいろいろなライヴ・ハウスにはヴァーン&レイやディラーズがやって来るようになります。

このような状況の中、1973年にカリフォルニア州ラメサでは一握りのブルーグラス音楽愛好家が集まり始めました。

サンディエゴ在住のギタリスト兼リード・シンガーのリック・カービー(Rick Kirby)は、「パシフィック…リー・ブルーグラス」(Pacific…ly Bluegrass)というバンドを結成し、アメリカ中のコンサートやフェスティバルで演奏を始めます。

このバンドのバンジョー奏者でヴォーカリストのウェイン・ライス(Wayne Rice)は、1960年代からブルーグラス音楽に関わってきました。彼は1970年代に人気のあったカントリー・ゴスペル・グループ、ブラッシュ・アーバー(Brush Arbor)(シリーズ61に既述)の元メンバーでした。

731 愛しの泡沫アルバム(その104)_a0038167_16224837.jpg彼らは1979年にバンド名で最初のアルバムをリリースします。メンバーはリックとウェインの他に、マンドリンのカール・バーグレン(Carl Berggren)、フィドルのダグ・シャーウッド(Doug Sherwood)、ベースのピーター・ヴァーホーラ(Peter Varhola)の5人編成でした。

サポート・メンバーにはブルー・スカイズ(The Blue Skies)など他のいくつかの地方バンドのメンバーであったキム・ウィークス(Kim Weeks)がドブロで参加しています。キムはこの当時、西海岸でトップ・クラスのドブロ奏者でした。

バンドは全米で何百ものコンサートやフェスティバルに出演し、3枚のアルバムを残しますが解散してしまいました。

リーダーのリックはバンジョー奏者のウェイン・ライスとドブロ奏者のキム・ウィークスを伴って、1993年から同じサンディエゴでライトハウスなるバンドを結成して今日まで元気に活動を続けています。

音源はYoutubeにて佐生武彦さんがアップして下さってる「Take’s Bluegrass Album Channel」で聴くことが出来ます。

https://www.youtube.com/watch?v=DC5FYs1Tv20/



※長い間のご愛顧ありがとうございます。私事ではありますが、先月には古希を迎え、長年務めてまいりました会社を退職致しました。つきましては入力に使用していたパソコンなどの移設などに伴い、このブログをしばらくの間のお休みさせていただきます。入力環境が整い次第、再開させていただきます。


by scoop8739 | 2021-08-13 08:30 | 泡沫アルバム探訪
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