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392 愛しの泡沫アルバム(その53)

ポニー・エクスプレス

1972年、当時ブルーグラス・アライアンス在籍中だったサム・ブッシュは、バンド・マスターのロニー・ピアースを除く4人のメンバーと共にアライアンスを退団し「ポニー・エクスプレス」というバンドを立ち上げます。

しかしすぐにこのバンド名は既に他のグループによって使われていることが判明し、「ニューグラス・リヴァイヴァル」と名を改めます。その「ポニー・エクスプレス」という名で活動していたのが、テネシー州在住の3人の常駐医師と法律を勉強中の学生が加わった素人バンドでした。

a0038167_09360218.jpgこのバンドは1970年にメンバーたちがテキサス大学医学部に通っていた折に結成され、1972年にはメリーランド州マウント・レイニアに本拠を置くレベル社から1枚のアルバムをリリースしています。そのアルバム・ジャケットに映る4人はいささか古めかしい衣装を纏って、まるでたった今、田舎から出てきたようにも見えます。

4人は、バンジョーとギターとヴォーカルのジム・アーサー(Jim Arthur)、ギターとヴォーカルのフィル・ロウ(Phil Roe)、マンドリンとギターとヴォーカルのスティーヴ・バーンズ(Stave Barnes)、そしてベースとヴォーカルのトム・イーデス(Tom Eades)でした。

ケンタッキー州の丘陵地帯、ジョージア州の山岳地帯、そしてテネシー州のデルタ地帯で育った彼らの作る音楽は、ニューグラス時代を反映して古き良き音楽からの選曲に現代的な表現を加味したものとなっています。

A面4曲目にはセルダム・シーンのデビュー・アルバムA面1曲目の「レイルロード・ライン」(Raised By The Railroad Line)を収録しています。さすがにシーンには敵いませんが、こういったチャレンジ精神は若者の特権なのでしょう。

ところでこのアルバムをリリースした後に、メンバーの一人フィル・ロウは1973年から1974年まで陸軍医療隊に入隊し韓国の基地に駐留します。そのためバンドは個々のキャリアを追求するために解散しました。

参考までに、ロウは1974年まで陸軍の軍医を務め、その後は勤務医として働いていたのですが、2003年から2007年まではジョンソン・シティの副市長、2007年から2009年までは市長を務めた後に共和党より出馬して、現在テネシー州第1区選出の下院議員として活躍しています。

もしもこのバンドが解散せずに、それぞれがキャリアを重ねながらバンド活動を維持していたのなら、第2のセルダム・シーンになっていたのかもしれません。

音源はYoutubeにて佐生武彦さんがアップして下さってる「Take’s Bluegrass Album Channel」で聴くことが出来ます。

https://www.youtube.com/watch?v=6n9-3a5Z7l0&t=543s/


by scoop8739 | 2019-06-18 09:38 | 泡沫アルバム探訪 | Comments(0)
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