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390 愛しの泡沫アルバム(その51)

ブルーグラス・タールヒールズ

ラルフ・スタンレーのバンド「クリンチ・マウンテン・ボーイズ」で1970年代前半に活躍したギター奏者のリッキー・リー(Ricky Lee)は、リード楽器としてのギターを新たな高みへ導くべく若い世代に多くのインスピレーションを与えました。

そのリッキーがクリンチ・マウンテン・ボーイズに加入する直前まで属していたのが「ブルーグラス・タールヒールズ」(The Bluegrass Tarheels)です。

バンドは以前には「ディキシー・ヒルビリーズ」(The Dixie Hillbillies)という名で活動していましたが、1971年9月頃ビル・モンローによって光栄にも、彼らがノース・カロライナ州の出身であることから、州に付けられたニック・ネーム「タールヒール」と改名させられます。

390 愛しの泡沫アルバム(その51) _a0038167_09114556.jpgさて、そんな彼らのデビュー・アルバムが1972年にリリースされた『タールヒール・カントリー』(Tarheel Country)でした。

リード・ギターのリッキー・リーだけが目立ちますが、他メンバーはギターとリード・ヴォーカルのジェイムズ・ランドルフ(James Randolph)、マンドリンとテナー・ヴォーカルにロバート・マックドウガル(Robert McDougal)、バンジョーとバリトン・ヴォーカルにジェリー・エドマンソン(Jerry Edmunson)、フィドルにドイル・ドナヒュー(Doyle Donahue)、そしてベースにボブ・フォード(Bob Ford)の6人編成となっています。

このアルバムのハイライトはA面1曲目の「水はとても冷たい」(Water So Cold)です。アメリカ南北戦争中の南軍の将軍ストーンウォール・ジャクソンの逸話を基にハロルド・ハワードによって作られた曲でした。

そして同2曲目のラルフ・スタンレー作「ケティ・ダリー」(Katy Daly)、同4曲目のアール・テイター作「子どもたちが泣いている」(Children Are Crying)、B面2曲目のA.P.カーター作「私が恋しいか?」(Will You Miss Me)、同3曲目「砂糖まみれの恋」(Sugar Coated Lovre)、同6曲目「美しき人生」(Beautiful Life)などのスタンダード曲が巧みに歌われています。

またA面3曲目「45号列車」(Train 45)、同6曲目「ワシントン郡」(Washington County)、B面1曲目「ロンサム・ルーベン」(Lonesome Reuben)、同4曲目「スパニッシュ・グラス」(Spanish Grass)などのインスト曲も素晴らしく、リッキー・リーの演奏も聴きものです。

バンドはリッキー・リーが抜けた後の翌1973年と1975年に2枚のアルバムをリリースしています。

音源はYoutubeにて佐生武彦さんがアップして下さってる「Take’s Bluegrass Album Channel」で聴くことが出来ます。

https://www.youtube.com/watch?v=JnR55QXSyRQ/


by scoop8739 | 2019-06-10 09:15 | 泡沫アルバム探訪
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