332 ブルーグラスの中のディラン(その4)

フラット&スクラッグスの中のディラン(1)

1955年以来、フラット&スクラッグスの敏腕マネージャーだったスクラッグスの妻ルイーズは、夫アールを1959年ニューポート・フォーク・フェスティバルで演奏できるように売り込み、それを成功させ、「フォーク・リヴァイヴァル」でのブルーグラスの地位向上に貢献します。

a0038167_09340306.jpgリヴァイヴァル・ブームの風を強く感じた彼女は、アルバム『有名なカーター・ファミリーの歌』(Songs of the Famous Carter Family)や『私たちの国の民謡(Folk Songs Of Our Land)などを手がけてバンドを異ジャンルまで広く宣伝しました。

ところが1960年代半ばになり、ビートルズを始めとする英国ロックの侵攻によってブルーグラスへの風向きが悪くなるのを察すると、彼女はコロンビア・レコードのプロデューサー、ボブ・ジョンストンの意見を取り入れて、フォギー・マウンテン・ボーイズにリズム・ギターを増やし、ドラムを入れたりしてヘビーなサウンドに変えていきます。

そこでレパートリーに取り入れたのがディランの曲でした。そして時代に応じた題材を前面に打ち出し、積極的にバンドを変化させました。

彼らがディラン曲を初めてレコーディングしたのは1966年5月16日のことです。それはシングル盤でディランの「母よ、私の心の中に」(Mama,You’ve On My Mind)でした。この曲ではナシュヴィルのスタジオ・ミュージシャン、チャーリー・マッコイのブルース・ハープが使われています。(ご参考までに、動画がTV番組「じゃじゃ馬億万長者」シーズン5 の14話に収録されています)

a0038167_09342225.jpg彼らのバンド・サウンドが大きく変化するのは1968年発表のアルバム『変わる時』(Changin’ Time)からでした。このアルバムには全11曲中5曲のディラン曲がすべてA面に収録されています。
1曲目「洪水の中で」(Down In The Flood)、2曲目「ミスター・タンブリン・マン」(Mr. Tambourine Man)、3曲目「くよくよするなよ」(Don't Think Twice, It's All Right)、5曲「風に吹かれて」(Blowin' In The Wind)、6曲目「それは僕じゃないよ」(It Ain't Me Baby)に加え、4曲目にはフォーク・ソングの定番曲。ピート・シーガー作「花はどこへ行った」(Where Have All The Flowers Gone)も収録されています。

a0038167_09341278.jpg同じく1968年には、アルバム『ナシュヴィル・エアプレイン』(Nashville Airplane)がリリースされます。この中にもA面1曲目に「転がる石のように」(Like A Rolling Stone)、同6曲目に「今夜僕は君のもの」(I'll Be Your Baby Tonight)、そしてB面1曲目に「雨の日の女」(Rainey Day Woman #12&35)、同4曲目に「時代は変わる」(The Times They Are A-Changin')と、全11曲中4曲収録されました。
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by scoop8739 | 2018-11-12 09:38 | ディラン・ソングス
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