326 「ニューグラス」への道(その43)

ジーン・パーソンズのアルバム『キンドリング』では彼のマルチ・プレイヤーぶりが聴ける

スキップ・バッティンと同時代、バーズ後期のメンバーだったジーン・パースンズはクラレンス・ホワイトと共にストリング・ベンダーを制作したことでも有名です。彼はクラレンスの誘いでバーズに加入し、1968年10月からドラムを担当していました。

パーソンズは1963 年に、ケイジャン・フィドルの名手ギブ・ギルボーからバンジョーの腕前を認められ、彼のセッションに参加したことからミュージシャンとしての活動をスタートさせています。

1966年から67年にかけては「ケイジャン・ギブ・アンド・ジーン」として活動し、そこでクラレンス・ホワイトと出会います。その後、ウェイン・ムーアを加えて1968年8月までカリフォルニアで活動していたのが伝説のバンド「ナシュヴィル・ウェスト」でした。この頃に前述のストリング・ベンダーの制作を始めていたと言われています。

a0038167_08553288.jpgさてそのパーソンズがソロになって、1973年にはマルチ・プレイヤーの才能を遺憾なく発揮したアルバム『キンドリング』を発表しています。このアルバムで彼はギター、バンジョー、ペダル・スティール、ハーモニカ、ベースと数多くの楽器を演奏しています。

1曲目の「モーメント」(Monument)はパーソンズ作となっているものの、実はブルーグラスの名曲「ピッグ・イン・ザ・ペン」(Pig In A Pen)とほぼ同じ曲です。

なおアルバムには盟友クラレンス・ホワイトが全面協力し、かつてバーズがステージで演奏していたのですが、レコード化されなかった曲なんかが収録されています。つまりこのアルバムで“裏バーズ”的な曲を聴くことが出来るのです。

また、かつての仲間であったギブ・ギルボーがフィドルでの参加や、あのラルフ・スタンレーがコーラスで参加した兄カーター作の「酔っぱらいの夢」(Drunkard’s Dream)が収録されています。この曲でのクラレンスのロック的でロンサム感あふれたヴォーカルは聴きものです。

また「私は木になるべき」(I Must Be A Tree)という曲ではフェイズ・シフターを利用した美しいストリング・ベンダーも楽しめるほか、アルバム全体的にはアコゥスティックでほのぼのとしたサウンドとなっています。

パーソンズはその後、1974年に復活したフライング・ブリトゥ・ブラザーズにギブ・ギルボーやクリス・エスリッジ、スニーキー・ピートらと共に参加しています。
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by scoop8739 | 2018-10-18 08:57 | Road To New Grass
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