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320 「ニューグラス」への道(その37)

ニューグラス・リヴァイヴァルの登場

1968年にケンタッキー州ルイヴィルで結成されたブルーグラス・アライアンスは、アップ・トゥ・デイトなブルーグラスを演奏するバンドとして人気を誇っていました。その後バンドはメンバー・チェンジを繰り返し、クロス・ピッキングの名手ダン・クレアリーが抜けた後にはクラレンス・ホワイトの流れを汲むトニー・ライスが入団します。

1970年初秋になってマンドリンのサム・ブッシュ、すぐ後の11月にはバンジョー奏者のコートニー・ジョンソン、翌71年末にカーチス・バーチ(ギター、ドブロ)が次々と入れ替わり加入し、結局、設立メンバーはフィドル奏者のロニー・ピアスとベース奏者のイーボ・ウォーカーだけとなってしまいました。

1972年にトニーがJ.D.クロウのバンドに加わるため退団すると、ロニーを除く4人のメンバーは「ポニー・エキスプレス」というバンドを立ち上げアライアンスを退団します。このバンドはすぐに「ニューグラス・リヴァイヴァル」と名を改めます。

彼らは楽器にピックアップを取り付け、ロック・ミュージシャンのようにステージを動き回り、より大きな音で自分たちの音楽を表現しました。このことがロック・ファンの関心を高めます。その演奏の特徴は間奏に長いインプロビゼーション(アドリヴ演奏)を入れることでした。それ自体は単純なコード進行でしたが、自由な表現が可能になり、まるでジャズのようであり、フリース・タイルのジャム・セッションが拡張されたような感じと受け止められます。

a0038167_15060487.jpg1972年にリリースされた彼らのアルバムに写るメンバーの姿が、長髪、Tシャツにジーンズという、まるでロック・ミュージシャンのような風貌だったため、ブルーグラス・ファンに与えたショックは大きいものでした。それに輪をかけるかのように、A面1曲目からロックン・ロールの定番曲「火の玉ロック」(Great Ball Of Fire)の吠えるようなヴォーカルで始まるのですから、まさにセンセーショナルなデビューとなったのです。

そしてA面最後の曲「ロンサム・フィドル・ブルース」ではインプロビゼーションを交えた7分余りの熱演で“ロック・グラス”の誕生を窺わせるものとなりました。


by scoop8739 | 2018-09-27 15:09 | ニューグラスへの道 | Comments(0)
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