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307 「ニューグラス」への道(その25)

フライング・ブリトゥ・ブラザーズの試み

バーズを脱退したグラム・パーソンズとクリス・ヒルマンが中心となり、ペダル・スティールのスニーキー・ピート・クライナウ(Sneaky Pete Kleinow)とベースのクリス・エスリッジ(Chris Ethridge)を加えて1968年に結成されたのがフライング・ブリトゥ・ブラザーズです。

彼らはバーズで試みた“カントリー・ロック”をさらに発展させ、サザン・ソウルの要素までも取り入れ、まさに"ルーツ・ロック"というものを目指します。

こうしたグラム・パーソンズの試みは、誰もが「ウッドストック・フェスティバル」を頂点とする浮ついたロック共同幻想に踊らされていた1960年代後半の激動期にあって、そうした時流に逆らうかのように、南部人としての立脚点をカントリーに求めたロック・アーティストの“見直し作業”だと考えられます。

つまり、パーソンズとしては混乱の時代だからこそあえて自らの足下を見つめ直す作業ながら、単に“振り返る”のではなく、あくまで現在進行形の「サウンド」なり「ノウハウ」にこだわりながらの“再確認作業“だったのです。

そしてデビュー・アルバム『黄金の城』(The Gilded Palace Of Sin)と2作目の『ブリトゥ・デラックス』(Burrito Deluxe)でその土台を確かなものとしました。

a0038167_08464620.jpgアルバム『黄金の城』でのオープニング曲「悪女の歌」(Christine's Tune)は軽快なアップ・テンポのカントリー・ロックですが、3曲目「ドゥ・ライト・ウーマン」(Do Right Woman)と4曲目「通りの暗がり」(Dark End Of The Street)は2曲ともダン・ペン作のサザン・ソウルの曲でした。この3曲が前半のハイライトとも言えます。

アルバム後半での聴きどころはメンバーのオリジナル曲の「ホット・ブリトゥ#1」(Hot Burrito #1)と「ホット・ブリトゥ#2」(Hot Burrito #2)です。

「ホット・ブリトゥ#1」はスニーキー・ピートのペダル・スティールの間奏のソロがなんともいえないほど美しいバラードです。また「ホット・ブリトゥ#2」は日本語ロック・バンドの草分け的存在である「はっぴいえんど」の「花いちもんめ」の元ネタとしても有名な曲です。

フライング・ブリトゥ・ブラザーズはこれ以降の、1970年代の西海岸の音楽シーンを考えた時に欠かせない脈流をつなぐ大事な架け橋となったバンドでした。


by scoop8739 | 2018-08-01 08:50 | Road To New Grass | Comments(0)
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