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305 「ニューグラス」への道(その23)

ディラーズの変貌(後編)

ダグの脱退後にバンジョー・プレイヤーとして新メンバーにハーブ・ペダーセンが加わり、1968年に新生ディラーズとして4枚目のアルバムを発表します。

a0038167_14180615.jpgそれは、ブルーグラスに対する大胆なアプローチを施した『麦わらスイート』(Wheatstraw Suite)というタイトルのアルバムでした。そこにはフル・オーケストラあり、エレクトリック・インストルメンテーションあり、そしてドラムも使用しての、伝統的なブルーグラス・サウンドから、よりポップなフィールドへの脱皮を図った記念すべきアルバムとなりました。

またさらにロックやフォークのソングライターの曲がカヴァーされています。ティム・ハーディンのスタンダード「信じる理由」(Reason To Believe)や、ビートルズの「夢の人」(I've Just Seen A Face)をディラーズ風に解釈していて、フォーク・リヴァイヴァルの衰退に照準を合わせ、リヴァイヴァル・バンドとしてのディラーズから、それに頼らずに活動していこうとする決意が汲み取れます。

a0038167_14182920.jpg続いて1970年にはアルバム『銅畑』(Copperfields)をリリースします。このアルバムもまた前作で始まった“カントリー・ロック・スタイル”を継承し、さらに押し進めています。

同じオーケストラとドラム(ポール・ヨークの演奏)、エレクトリック・ベースなどを使用し、ダウン・トゥ・アースなブルーグラス楽器にディラーズが得意とするコーラスを配したポップ・グラス・サウンドとなっています。ここでもハーブ・ペダーセンが「ブラザー・ジョン」など数曲のオリジナルを提供するなど重要な役割を果たしていました。

アルバムにはハリー・ニルソンの「レインメーカー」(Rainmaker)やビートルズの「イエスタデイ」(Yesterday)、エリック・アンダースンの「軽くドアを閉じて」(Close the Door Lightly)などジャンルの異なった曲が多く含まれていて、これらは30年近くを経た今でも驚くほど新鮮なものとして聴くことができます。

しかし両方のレコードとも商業的には成功しませんでしたが、トラディッショナル曲をアレンジした「オールド・マン・アット・ザ・ミル」(Old Man At The Mill)、「ヘイ・ボーイズ」(Hey Boys)をはじめとする曲作りの巧妙さや、ヴォーカル・ハーモニーの美しさは今なお高い評価を得ています。


by scoop8739 | 2018-07-26 14:22 | Road To New Grass | Comments(0)
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