297 「ニューグラス」への道(その16)

フォーク・ロックからカントリー・ロックへ(前編)

かつてクリス・ヒルマンが在籍していたL.A.のブルーグラス・バンド「スコッツヴィル・スクワイアレル・バーカーズ」(Scottsville Squirrel Barkers)でギターとドブロを弾いていたラリー・マレー(Larry Murray)を中心に、デイヴ・ドウソン(Dave Dawson、ヴォーカル、ギター、オートハープ)、リック・クンハ(Rick Cunha、ヴォーカル、ギター)からなる「ハーツ&フラワーズ」はフォーク・ロック・バンドとして、1967年にキャピトルからアルバム・デビューをしています。

a0038167_11445408.jpg彼らの創り出すサウンドはいかにも60年代的な少しサイケがかったフォーク・ロックから、カントリー・ロックへと変化していく過渡期の様相を見事にあらわしています。たとえばバーバンク・サウンドを例にとれば、同時期のハーパーズ・ビザールやボー・ブラメルズが1作ごとに作風を変えロック的アプローチに変化してく様相にちょうど対応するかのように、まさしく時代の大きなうねりが凝縮されているような感じでした。

彼らの初のアルバム『今がその時』(Now Is The Time For Hearts and Flowers)はシンガー・ソングライターの時代を先取りしたような選曲の妙が味わえます。

ドノヴァンの「トライ・フォー・ザ・サン」(Try For The Sun)、ロジャー・ティリスンの「ロックン・ロール・ジプシー」(Rock And Roll Gypsies)、ティム・ハーディンの「信じる訳」(Reason To Believe)、デヴィッド・リンドレーが在籍したカレイド・スコープの「プリーズ」(Please)、ジェリー・ゴフィンとキャロル・キングの作品「ロード・トゥ・ノーウェア」(Road To Nowhere)、そしてカントリー・ロック的アプローチのマール・ハガード作「寂しい逃亡者」(I’m A Lonesome Fugitive)、同じくホイト・アクストンの「一万の夕焼け」(10,000 Sunsets)という曲など、メンバーのオリジナルと共に収録されています。

バンドは翌1968年にクンハが脱退し、バーニー・レドン(Bernie Leadon)と交替しました。

レドンは後にイーグルスの創設メンバーとしてとても有名ですが、彼はミネソタ州東部ミネアポリスの出身で1957年にカリフォルニア州サンディエゴに移住しています。そしてバンジョー奏者としてブルーグラス・バンド、「スコッツヴィル・スクォレル・バーカーズ」に参加しました。

このバンドにはギター奏者にケニー・ワーツ(Kenny Wertz、後にフライング・ブリトゥ・ブラザーズからカントリー・ガゼットへ)と共にドブロ奏者としてラリー・マレーが在籍していました。バンドは1枚のアルバムを残して1962年に解散してしまいます。


[PR]
by scoop8739 | 2018-07-05 11:47 | Road To New Grass
<< 298 「ニューグラス」への道... 296 「ニューグラス」への道... >>