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293 「ニューグラス」への道(その12)

サイケデリック・ロックの追随者(後編)

しかしアルバムは期待通りには売れず、キーボード奏者のビル・スティーブンソンがバンドを去ります。ところが何かしら彼らに期待していたエレクトラ社は、翌1969年に2枚目のアルバム『偉大なるアメリカン鷲の悲劇』(The Great American Eagle Tragedy)を制作します。

a0038167_08402915.jpgこのアルバムにはロック・バンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」(Velvet Underground)のオリジナル・メンバーとして活動していたジョン・ケイル(John Cale、ビオラ)やジャック・ボーナス(Jack Bonus、サキソフォン)らが、そしてブルーグラスの世界からはバンジョー奏者のビル・キース(Bill Keith)がペダル・スティールでゲスト参加していました。

アルバムはホーンの導入やハードなエレクトリック・ギターによってロック色を強め、サウンドは前作よりもさらにバンド的なニュアンスが増しています。10分を越える大作のタイトル曲では60年代末のアメリカを描くなど意欲的で、かつ実験的なアプローチが強く印象づけられています。また本来のアコースティックな曲にも味わいがあり、60年代末の混沌としたエネルギーが満ち溢れています。

アルバム・ジャケットに描かれているのは、アメリカのシンボルである双頭の鷲に頭蓋骨が重ねられ、全体的に血液が染みたようなサイケデリックな図柄でした。しかしこのアルバムもまた全米チャートの上位には届きませんでした。

そしてとうとうバンドは2枚のアルバムと3枚のシングル盤を残して解散します。この後すぐにローワンはリチャード・グリーンの在籍しているカントリー・ロック・バンド「シートレイン」(Seatrain)に合流します。

一方のグリスマンは、ジェリー・ガルシア率いるグレイトフル・デッドが1970年に発表したアルバム『アメリカン・ビューティ』で2曲ほどマンドリンを弾いていますが、再び表舞台に登場するのは1973年にセッション・グループとしてリリースしたアルバム『オールド・アンド・イン・ザ・ウェイ』(Old And In The Way)まで待たなくてはなりません。


by scoop8739 | 2018-06-25 08:24 | Road To New Grass | Comments(0)
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