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292 「ニューグラス」への道(その11)

サイケデリック・ロックの追随者(前編)

1942年8月、マサチューセッツ州に生まれたピーター・ローワンは、その頃の少年の誰もがそうだったように当時流行っていたロカビリー音楽に興味を持ちバンドを組みます。大学生になってフォーク・ブームが到来するとブルーグラスに興味を示しました。

彼にとってブルーグラスの師匠とでも言うべきバンジョー奏者のビル・キース(Bill Keith)の助力によりナッシュビルに招かれ、ビル・モンローのオーディションを受けるや見事に合格します。

ローワンは19661014日にブルー・グラス・ボーイズの一員としてのデビューを果たし、1967年春に退団するまでの間にモンローと一緒に作った曲「時の壁」(Walls Of Time)を始め計14曲のレコーディングを残しました。

その後、彼はマサチューセッツ州ボストンのフォーク・クラブでソロ活動を始めます。そこで知り合ったのがデヴィッド・グリスマンでした。

グリスマンは1945年にニュージャージー州ハッケンサックで生まれ育ち、ローワン同様、折からのフォーク・ブームの洗礼を受けます。そしてラルフ・リンズラーを聴いてマンドリンを知り、1960年にはワシントンD.C.でフランク・ウェイクフィールド(Frank Wakefield)の個人レッスンを受けるなどしてプロのマンドリン奏者となりました。

1963年に「イーヴン・ダズン・ジャグ・バンド」(The Even Dozen Jug Band)でミュージシャンとしての活動をスタートし、同じ年にはフォークウェイズ社(Folkways Records)からリリースされたレッド・アレン(Red Allen)とフランク・ウェイクフィールドのアルバムにも参加します。

サイケデリック・ロックが世界的に席巻しだすと、ローワンとグリスマンは1967年にアシッド系フォーク・グループ「アース・オペラ」を結成します。メンバーはベースにジョン・ナギ(John Nagy)、ドラムにポール・ディロン(Paul Dillon)、キーボードとビブラフォンにビル・スティーブンソン(Bill Stevenson)を加えた5人の編成でした。

a0038167_08401079.jpg彼らは、グリスマンとバンド仲間だったピーター・シーゲル(Peter Siegel、当時はバンジョー奏者)のプロデュースにより、ベテラン・ドラマーであったビリー・マンディ(Billy Mundi)のサポートを得て1968年にエレクトラ・レーベルからデビュー・アルバムをリリースします。

これはグリスマンのマンドリンとマンドセロに、ローワンの美しくも不思議な妖気に満ちたヴォーカルが絡んだ、ロック、ポップ、フォーク、ジャズのエッセンスを含む唯一無二の世界を描いたものとなりました。彼ら二人のアコースティック・テイストを当時のサイケデリック・シーンの概念で大胆に表現したアルバムでした。


by scoop8739 | 2018-06-20 08:45 | Road To New Grass | Comments(0)
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