ラーガ・ロックからサイケデリック・ロックへバーズの「霧の8マイル」や、ビートルズの「ノルウェイの森」、そしてローリング・ストーンズの「黒くぬれ」等の影響もあってシタールを用いた曲が多く作られるようになります。1967年にスコット・マッケンジーが発表した「花のサンフランシスコ」もその1曲ですが、これも大ヒットを記録します。 ボブ・ディランのエレクトリック化に一役買ったポール・バターフィールド・ブルース・バンドが1966年7月に発表したアルバム『イースト・ウエスト』にもそんなシタールを感じさせる曲がありました。 インド楽器は一切使用していないものの、ヴォーカル代わりのハープと2本のギターが何とも妙な音色を奏でています。少しやり過ぎ感のある出だしから、いつの間にか通常のブルース・セッションに戻っているような具合に、豊かな音色と抜群の楽器テクニックで、まるでサイケデリックな壁画を描いていくようなスムーズさで展開していきます。 同年8月、既に人気ポップ・バンドの地位を確立していたビートルズは音の実験が詰まったアルバム『リボルバー』を発売します。このアルバムに収録されていた「トゥモロー・ネバー・ノウズ」などの楽曲は、マルチ・チャンネルといった録音技術の革新に電気楽器を主とした実験音楽と共鳴し異なる分野の現代音楽や前衛音楽を巻き込んで、ポップ・ミュージックの制作において大きな影響を与えました。 続いて同年9月にジェファーソン・エアプレインがアルバム『テイクス・オフ』(Takes Off)を発表し、アメリカ合衆国西海岸に始まったサイケデリック・ムーヴメントは1967年頃には世界中を席巻し多くのアーティストがこのジャンルの作品を残します。 このジャンルではグレイトフル・デッドやドアーズ、ヴァニラ・ファッジなどが有名ですが、プログレッシヴ・ロックの代表的なバンドとして知られているピンク・フロイドも、シド・パレットが在籍していた最初期はサイケデリック・ロックでした。
by scoop8739
| 2018-06-18 09:32
| Road To New Grass
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