250 至高のサウンド(その4)

エマーソンの脱退と新しいバンジョー奏者の加入。

バンドは太文字ゴチック体のエマーソンと細文字明朝体のウォルドロンという力関係で成り立っていました。ところが3枚目のアルバムをリリースした後、バンドの主体であったエマーソンが古巣カントリー・ジェントルメンに移籍してしまいます。

ウォルドロンは短期間、シェナンドー・カッタップス(Shenandoah Cut-Ups)に身を置きますが、再びバンドの編成を始めます。エマーソンの抜けた穴を埋めたのはベン・エルドリッヂという、ダイナミックで多彩なフレーズを奏でる凄腕のバンジョー奏者でした。

エルドリッヂは1938年8月15日、ヴァージニア州リッチモンドで生まれ、10歳でギターを弾き始め、16歳からはバンジョーを始めました。1957年にヴァージニア大学で学んだ後に、テトラテック社で技師として従事するためメリーランド州アデルフィに移り住みます。そこでバンジョー奏者のビル・キースやビル・エマーソンと知り合い、彼らの奏法に大きく影響を受けることになります。

a0038167_09330556.jpg1970年6月にエルドリッヂがウォルドロンのグループに加入した同年に4枚目のアルバム『ライト・オン!』がリリースされます。このアルバムからバンド名が「ニュー・シェイズ・オブ・グラス」(The New Shades Of Grass)となりました。それはウォルドロンにとって初めてのアルバムからネーミングされたものでした。

このアルバムではイアンとシルビアでおなじみの「四つの強い風」(Four Strong Wind)や、ビージーズの「君に贈るメッセージ」(Gotta Get A Message To You)など、素晴らしい選曲とオリジナル曲で構成されていて聴くものを飽きさせません。

そして何よりもエルドリッヂの弾くダイナミック、かつ多彩なフレーズのバンジョー、オゥルドリッヂのやさしい音色を奏でるドブロのハーモニーがアルバムに新鮮な息吹を吹き込みました。言い換えれば、エマーソンの押しつけ的なバンジョーがいなくなった分、間違いなくオゥルドリッジの奏法は表現力が豊かになっています。

またバンドでテナーを歌っていたエマーソンが抜けたことで、このアルバムからマイク・オゥルドリッヂの4歳上の兄デイヴがテナー・ヴォーカルで参加します。デイヴは大工を生業としながらギターやマンドリンを演奏しています。


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by scoop8739 | 2018-02-02 09:38 | セルダム・シーン
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