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234 時系列で聴くカントリー・ジェントルメン (69)

レベルへの録音 (24)


ジョンの最後となったレコーディングは、1969年3月16日、かつてアルバム「旅する人」(The Traveler)に収録した「ベイビー・ブルー」、「マッターホルン」をレコーディングしたメリーランド州バルチモアにある「レコーディングス・Inc.」でした。

11年間に亘りバンドのカラーを作り、またバンドを牽引してきたジョンにとって最後のアルバムとなった「そのようにやりなさい」(Play It Like It Is)は、まさしく彼のブルーグラスに対する想いを伝えるタイトルになりました。それではアルバムの収録曲目を紹介しましょう。234 時系列で聴くカントリー・ジェントルメン (69)_a0038167_17403983.jpg
A
1.「彼は友だちだった」(He was A Friend Of Mine)
2.「ディキシーの夜明け」(Daybreak In Dixie)
3.「あの良き日々」(Some Old Days)
4.「ラギー・マウンテン・シェイクダウン」(Raggy Mountain Shakedown)
5.「バナナボートの唄」(The Banana Boat Song)
6.「レースへ行こう」(Going To The Races)
B
1.「帰る少年を待って」(Waiting For The Boys To Come Home)
2.「リトル・ジョー」(Darling Little Joe)
3.「エル・デド」(El Dedo)
4.「メリー・ディア」(Mary Dear)
5.「ブルーリッジ・マウンテン・ホーム」(Blue Ridge Mountain Home)
6.「救いの舟」(Take Me In A Life Boat)

A面の1曲目「彼は友だちだった」(He was A Friend Of Mine)はボブ・ディランのブートレグ集にも収録されているアメリカの古いフォーク・ソングです。初めて録音されたのはアフリカ系アメリカ人の受刑者であったスティーブン・ケーシーのもので、後にバーズやウィリー・ネルソンもレコーディングしています。間奏でのブロック・コードを使ったエディの演奏が面白い味を出しています。

2曲目の「ディキシーの夜明け」(Daybreak In Dixie)は、ライヴ・アルバム『ゴーイング・バック・トゥ・ザ・ブルー・リッジ・マウンテンズ』(Going Back To The Blue Ridge Mountains)でも演奏されているように彼らのライヴ・パフォーマンスの必須曲であり、またどのブルーグラス・ミュージシャンにとっても定番曲です。ジョンの火の出るようなマンドリン演奏は勿論のことですが、エディのオーソドックスなスリー・フィンガー・スタイルのバンジョー演奏にも感心致します。

3曲目「あの良き日々」(Some Old Days)は、「俺は今、鎖に繋がれたまま、雨に打たれて働かされている身だけれど、いつかきっと、この刑務所から出て、君の元に返って行くよ。君もまた、その日を待ってて欲しい」と、レスター・フラットの歌唱で有名な囚人歌です。作者はルイス・サータイン(Louise Certain)とグラディス・ステーシー(Gladys Stacey)で、フラット&スクラッグスがアルバム「フォギー・マウンテン・ジャンボリー」(Foggy Mountain Jamboree)を発売して以来、ブルーグラスの定番曲となっています。ジョンの張りつめたリード・ヴォーカルが絶品です。

4曲目の「ラギー・マウンテン・シェイクダウン」(Raggy Mountain Shakedown)は、ジョン作のインスト曲で、いつものようにジョンとエディの絡みが素晴らしい曲です。ここでもエディはジェントルメン加入から約10年、とても上達したスリー・フィンガー奏法で演奏しています。

by scoop8739 | 2017-11-10 17:44 | カントリー・ジェントルメン
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