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213 時系列で聴くカントリー・ジェントルメン (51)

レベルへの録音 (11)

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カントリー・ジェントルメン初のオリジナル・アルバム「不思議な少女」(Bringing Mary Home)A面の残り2曲とB面の2曲を解説致します。

A面5曲目「ブラウン・マウンテン・ライト」 (Brown Mountain Light)は、前スタジオ録音アルバム「ナッシュヴィルの監獄」(Nashville Jail/当時は未発表)A面5曲目に収録されるはずの曲で、このヴァージョンはその時録音したものです。前ライヴ盤「ゴーイング・バック・トゥ・ザ・ブルー・リッジ・マウンテンズ」(Going Back To The Blue Ridge Mountains/当時は未発表)では9曲目に収録されます。この当時のライヴのレパートリーだったのしょう。その後も残されているブートレグ・テープでも常に演奏されている曲です。

6曲目「ノースバウンド」(Northbound)は、19世紀にベンジャミン・ハンビーによって作られた古い曲「ダーリン・ネリー・グレー」(Darling Nelly Gray)をカントリー・ジェントルマン風に味付けしたインスト曲です。かつて彼らが、フォークウェイズ社でのアルバム「フォークソングス&ブルーグラス」(FA-2410)の中で収録していた「サウス・バウンド」(Southbound)というインスト曲がありましたが、これはその続編でもなく、単に「南行きもあれば、北行きもある」といった具合なのかもしれません。あえて邦題を付けるならば、小林旭の歌のような題名「北帰行」となるのでしょうか? それはともかく、スタンレー・ブラザーズもまた、アルバム「フォーク・コンサート」の中で演奏しています(「ダーリン・ネリー・グレー」(Darling Nelly Gray)というタイトルで)。この曲、後にジョンが結成する「セルダム・シーン」のレパートリーに入っていてもおかしくないと思うのは、私だけでしょうか?

B面1曲目「住む所とてなく」(This World’s No Place To Live)もまた、前スタジオ録音アルバム「ナッシュヴィルの監獄」(Nashville Jail/当時は未発表)A面2曲目に収録されるはずの曲を再度レコーディングしたものです。「冷たく静かな夜明けに、私は一人、この浮き世を旅する、風がかつて我が犯せし罪を、こだまのように吹き返す」と歌われる、モダン・フォーク的ニュアンスの曲です。

2曲目「北国の少女」(Girl From The North Country )は、ボブ・ディランのセカンド・アルバム「フリー・ホイーリン」(The Freewheelin')の中の1曲で、北国の少女との過ぎし日の恋をしのんだ歌です。原曲自体がカントリー風であり、ジェントルメンは彼らのスタイルにアレンジして演奏しています。

というところで、続きは次回に。


by scoop8739 | 2017-09-04 08:37 | カントリー・ジェントルメン
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