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121 ブルーグラスの中のビートルズ (14)

夢の人 (I've Just Seen a Face)

この曲は、ビートルズ自身2作目となった主演映画「ヘルプ!」のサントラ盤として発売された5枚目のオリジナル・アルバムに収録されています。映画の方は前作での魅力を引きずりながらも、よりポップでアイドル性に満ちた楽しい内容となっていて、その後、TV番組「モンキーズ」などのようなアイドル主演もののお手本的作品となりました。

アルバムの前半7曲が映画に使用されたナンバーで、後半7曲がアルバム用に録音されたナンバーとなっています。この曲は後半5曲目、つまりアルバム用に作られたもので、ポールによる本格的なカントリー・ナンバーとなっています。アコウスティック・ギターを何本も重ねたようなイントロから、ブラシを使ったドラム、重たくもシンプルなギター・ソロまで一気に聴かせるアレンジは見事のひとことに尽きます。そういった意味でポールの曲作りの懐の深さを見せつけたような作品でもありました。

さてブルーグラス界を代表する革新的なフィドル・プレイヤーの一人ヴァッサー・クレメンツは、1946年にビル・モンロウの下でキャリアをスタートさせます。やがて彼は、自分が本当にやりたいのはもう少し違うタイプの音楽だということに気づき、さまざまなスタイルや要素を積極的に取り入れるようになりました。そしてジャズとカントリーを融合させるという実験に取り組みながら、40数年に亘ってその技術に磨きをかけ、今では最も多忙なセッション・ミュージシャンとして知られるまでになりました。

a0038167_18524720.jpgそんな彼が2001年に発表したアルバム「フル・サークル」(Full Circle)は、この「夢の人」を含め、クリームの「ホワイト・ルーム」、ビートルズの「イエスタデイ」を織りまぜながら、ブルーグラスの定番曲もきっちりと押さえた構成であり、またサム・ブッシュ(m)、ブライアン・サットン(g)、ジョッシュ・グレイヴス(d)、ケヴィン・グラント(bs)をはじめ、各曲でゲスト・ヴォーカリスト、ゲスト・プレイヤーを招いた豪華なアルバムとなっています。この曲ではもちろん、主役であるヴァッサーのフィドルはつぼを押さえつつも大いに乗りまくっていてファンを納得させる出来となっています。

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by scoop8739 | 2005-08-17 18:53 | ビートルズ・ソング | Comments(3)
Commented by scoop8739 at 2005-08-17 19:00
予てから療養中のヴァッサー・クレメンツが(米国時間の)昨日、お亡くなりなったという知らせを聞きました。
40数年に亘るキャリアには、単にブルーグラスに留まらず、ジャンルを越えた活躍が数多くありました。そんな彼の音楽界における功績は計り知れないものと思われます。ここに謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
Commented by 5stringbanjo at 2005-09-02 20:48 x
ごぶさたです。
I've Just Seen a Face は、Leon Russellが New Grass Revival をバックバンドにしたようなLiveアルバムの中でも入ってましたね。80年代に買って、よく聞いてました。
Commented by scoop8739 at 2005-09-02 22:46
こちらこそ、ご無沙汰でした。
そちらのブログも毎日覗いていますが、しばらくぶりに復活されたようでなによりです。資格の取得は並大抵では出来ませんね。
ところで、「I've Just Seen a Face 」がLeon RussellとNew Grass Revival のライヴに収録されていたなんて知りませんでした。
この曲は、Dillardsも演ってましたよね。けっこうみんな演ってるんですね。ブルーグラスにアレンジしやすいのかな?
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