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87 グッド・ウーマンズ・ラヴ

(Good Woman’s Love)

ニュー・グラス・リバイバル(以後N.G.R.)は、彼らのデビュー・アルバムでブルーグラス・ファンに大きなショックを与えた後、しばらくレコーディングから遠ざかっていましたが、ベースがブッチ・ロビンスからジョン・コーワンに代わると、ますますヒート・アップしていきます。

ジョンのボーカルは、ブルーグラスらしからぬ極端に喉をひっつめたような歌い方で、たちまちのうちにN.G.R.をカントリー・ロック路線へと向わせてしまいました。そしてさらに彼のファンキーなロック・ベースは、サムや他のメンバーが体質的に持ち合わせていたロック感覚をみごとに昇華させてしまったのです。

87 グッド・ウーマンズ・ラヴ_a0038167_19435427.jpgさて、ブルーグラスではお馴染みのこの曲も、N.G.R.にかかれば完全にロックになってしまいます。しかし原曲の持つシンプルな美しさは、たとえロックにアレンジされても少しも損なわれることなく、逆に美しさが一層強調されています。そういう意味ではこのアレンジは大成功なのでしょう。それにしてもジョンの張りつめたファンキーなボーカルはこの歌にピッタリですね。
New Grass Revival / Fly Through The Country (Flying Fish)

それから7年後の1982年、N.G.R.はサムとジョンを残してメンバー・チェンジしライヴを行っています。前作までのオリジナル・メンバー、コートニー・ジョンソンに代わって、バンジョーを弾いているのがベラ・フレック、そしてギターのカーティス・バーチに代わったのがパット・フリンです。ベラは、それ以前にジャック・トトルらと「テイスティ・リックス」というバンドに在籍していましたが、バンドの解散と同時にN.G.R.に移籍しています。このライヴでもジョンのパワフルなボーカルが聴かれます。
New Grass Revival / Live (Sugar Hill)

カントリー界の名ソングライター、サイ・コウブンの手になるこの曲も、カントリー・ジェントルメン風の味付けがなされるとまた違って聴こえます。この曲はジェントルメンがフォークウェイズからリリースした最初のアルバムに収録されています。ドブロはジョン・ダフィーが弾いていました。
The Country Gentlemen / The Country Songs - Old & New (Smithsonian Folkways)

ケンタッキー・カーネルズのライヴ・アルバムではローランドとクラレンスのホワイト兄弟のデュエットで歌われます。間奏のギターとマンドリンが必聴です。
The Kentucky Colonels / Livin' In The Past (Sierra)

1975年発表のトニー・ライスの第2作は、セルダム・シーンのジョン・スターリングがプロデュースをしています。ここでのトニーは若さをおさえて、わざとらしく渋く歌っている感じがします。
Tony Rice / California Autumn (Rebel)

「ボーダーライン」はウッドストック系のグループで、彼らが作ったこのアルバムはカントリー・ロックの隠れた名盤といわれてます。バンドの中心メンバーだったのはデヴィッドとジョンのガーシェン兄弟でした。彼らは1971年に完成したベアズヴィル・スタジオで働いていたジョンとジム・ルーニーに出会います。カントリー、フォークの影響を受けたデヴィッドとジョン、ジャズやブルースの影響を受けたジムの3人でボーダーラインはスタートします。このアルバムはブルーグラスのトラッド曲「ハンサム・モリー」で幕を開けます。そして4曲目にこの「グッド・ウーマンズ・ラヴ」が収録されています。
Borderline / Sweet Dreams And Quiet Desires (Avalanche)

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by scoop8739 | 2005-04-24 19:49 | 不朽の名曲
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