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84 おじいさんの古時計

(Grandfather’s Clock)

1961年に正式にカントリー・ジェントルメンに加入したトム・グレイは、ブルーグラス界にフォー・ビートを持ち込みました。フォー・ビートを刻むベーシストとしては、彼以前にもセドリック・レインウォーターやジョージ・シャフラーといった人がいましたが、彼のそれは他の楽器ともよりマッチして、ブルーグラスをさらにダイナミックなものにしました。彼のベースにインスパイアされて、ジェントルメンはいろいろな曲を作り録音しています。

84 おじいさんの古時計_a0038167_17233956.jpg我が国では平井堅の歌でも有名になった「おじいさんの古時計」を、トムはカントリー・ジェントルメン時代からライヴの持ちネタとしています。彼らのフォークウェイズ第3作にして最初のライヴ・アルバム「オン・ザ・ロード」では、62年4月のアンティオーク・カレッジ編でこの曲が演奏されています。エディ・アドコックのパリパリしたバンジョーのブレイクに続いて、トムがベース・ソロを披露します。続くジョン・ダフィーのマンドリンのブレイクの後に、今度はスラッピングでベース・ソロをとります。
The Country Gentlemen / On The Road (And More) (Smithsonian Folkways)

トムはセルダム・シーンのライヴでも持ちネタを披露します。ジョン・ダフィーの巧妙なMCでこの曲に入っていきます。ジョン・スターリングが「トム、間違うなよ」と言った矢先に、イントロでバンジョーのベン・エルドリッジが間違ってみせるという軽いジョークが楽しいですね。それにしてもジェントルメンといい、シーンといい、トムの卓越したテクニックと安定したリズムがそれぞれのモダン・サウンド作りの大きなファクターとなっているのがよくわかります。
Seldom Scene / Recorded Live At The Cellar Door (Rebel)

この曲はトム・グレイのベース・ソロの印象が強いせいか、他に演奏している人は多くありません。そんな中、アラン・マンデが「フェスティバル・フェイヴァリッツ」シリーズの第2集でこの曲を取り上げています。間奏でのローランド・ホワイトのマンドリンが独特のいい味を出しています。
Alan Munde / Festival Favorites Volume 2 (Ridge Runner) (CD化されていません)

ベテラン・シンガーのマック・ワイズマンも古いカントリー・ソングを20曲揃えたアルバムでこの曲を歌っています。
Mac Wiseman / 20 Old-Time Favorites (Rural Rhythm)

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by scoop8739 | 2005-04-10 17:24 | 不朽の名曲
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