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82 ビューグル・コール・ラグ

(Bugle Call Rag)

J.D.クロウは13才でバンジョーを始め、16才の頃アマチュア・コンテストに入賞します。この時、ケンタッキーのレキシントンを通りかかったジミー・マーチンに認められて、1956年にサニー・マウンテン・ボーイズに入団しています。ジミーのもとには1963年まで在籍し、21曲のレコーディングに参加しました。

ちなみにジミー・マーチンがそれ以降のバンジョー・プレイヤーに、J.D.のスタイルで演奏することを要求しているのは何故かというと、ジミーとJ.D.と2人で作り上げたサウンドこそが、ジミーの理想とするサニー・マウンテン・ボーイズのスタイルであり、それがすなわちJ.D.のように弾くということに他ならないからなのです。

82 ビューグル・コール・ラグ_a0038167_20582787.jpgさて、J.D.は1966年11月にもジミーのレコーディングに誘われていて、ここでは自らの名を冠した「クロウ・オン・ザ・バンジョー」という曲を残しています。実はこの曲、誰もがよく知っている名曲「ビューグル・コール・ラグ」のことだったのです。
Jimmy Martin & The Sunny Mountain Boys / You Don't Know My Mind (1956-1966) (Bear Family)

この「ビューグル・コール・ラグ」という曲は元々ジャズの名曲でベニー・グッドマン楽団の演奏でも有名ですが、ブルーグラスの世界でも、アール・スクラッグスが1961年に名盤「フォギー・マウンテン・バンジョー」に残し、ビル・モンロウも同年のアルバム「ブルーグラス・ランブル」(バンジョーはトニー・エリス)に収録するなど超有名曲となっています。
Bill Monroe & His Blue Grass Boys / Bluegrass Ramble (MCA)

先のJ.D.クロウのように演奏者によっては名前を変えて録音していますが、オズボーン・ブラザーズはアルバム「ボイセス・イン・ブルーグラス」で、この曲を「ビューグル・オン・ザ・バンジョー」とタイトルしています。ここではソニー・オズボーンのバンジョーが鮮やかにスクラミングしています。
The Osborne Brothers / Voices In Bluegrass (MCA)

ギタリストのトニー・ライスは「カリフォルニア・オータム」というアルバムでこの曲を取り上げています。バンジョーでおなじみのこの曲も、ギター・ソロで聴くとまた格別の味わいがあります。
Tony Rice / California Autumn (Rebel)

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by scoop8739 | 2005-04-08 21:01 | 不朽の名曲
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