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384 愛しの泡沫アルバム(その48)

トミー・エドワーズ

1945年、アール・スクラッグスがビル・モンローのブルーグラス・ボーイズに加わった年に、トミー・エドワーズはノース・カロライナ州シラー・シティで、父親がハーモニカとウクレレ、母親がピアノ奏者という音楽家の家庭に生まれます。家族はよく合唱と四重奏で歌い、そんな中でトミーは育ちました。

トミーは1950代後半から60代前半に興ったフォーク・リバイバルの洗礼を受けながら成長し、キングストン・トリオ、ピーター・ポール&メアリーに影響を受けてフォーク・ソングを追っかける日々が続きます。ところがテレビで「フラット&スクラッグス・ショウ」(The Flatt&Scruggs Show)を見たその日からトミーの生活は一変します。進学した東カロライナ大学在学中はバンジョーの演奏に夢中になりました。

卒業後に故郷に戻った時、町で唯一のブルーグラス・バンドにすでにバンジョー奏者がいることを知ります。それはトミーの家の隣に住むドナルドでした。トミーはバンジョーを諦めドナルドとポール(マンドリン)のビーン兄弟や、マンドリン奏者のジェリー・スチュアートと共にバンド「トムとジェリーとビーン・ブロッサムズ」(Tom and Jerry & The Beane Blossoms)を結成します。その時にトミーは楽器をギターに持ち替えました。

以来、トミーはビル・モンローのマンドリン奏法をギターに置き換えてユニークなフラット・ピッキング・スタイルを見出し、ドク・ワトソンやアーサー・スミスやダン・リーノのようなベテラン・プレイヤーの技術をも吸収します。

その努力の甲斐あって、トミーは名誉あるユニオン・グローブ・オールド・タイム・フィドラーズ&ブルーグラス・フェスティバルで「ワールド・チャンピオン・シップ・ブルーグラス・ギター」の最優秀賞を2度も受賞しています。

1971年になってトミーは「ブルーグラス・エクスペリエンス」(The Bluegrass Experience)を結成します。メンバーはトミー(ギターとヴォーカル)、旧知のポール(バンジョーとヴォーカル)とドナルド(マンドリンとヴォーカル)のビーン兄弟、チャールズ・リー・コナード(ギターとヴォーカル)、アル・マッキャンレス(フィドル)、トーマス・L・スミス(ベース)の6人編成でした。

a0038167_08372660.jpgバンドはこの年にアルバム『作品集』(Collection)を発表します。収録曲にはトミーの敬愛するフラット&スクラッグスの「フォギー・マウンテン・ブレイクダウン」や「恋人の腕に抱かれて」、ビル・モンローの「灯りが見えた」ほか、「オレンジ・ブロッサム特急」や「ディキシーの夜明け」「ロッキー・トップ」などのスタンダード曲に加え「シティー・オブ・ニューオリンズ」などのニューグラス的な曲も含まれています。

音源はYoutubeにて佐生武彦さんがアップして下さってる「Take’s Bluegrass Album Channel」で聴くことが出来ます。

https://www.youtube.com/watch?v=fWH0ALjbDNI


# by scoop8739 | 2019-05-23 08:40 | 泡沫アルバム探訪 | Comments(0)