05 女性ブルーグラッサー大活躍

a0038167_1343987.jpgブルーグラス音楽は、ビル・モンローを中心としてレスター・フラットやアール・スクラッグスらによって形付けられた1945年を元年とすると、まもなく生誕60年を迎えます。この間、艱難辛苦の時期やフォーク・リバイバルのブームなどを乗り越えて、今日のニュー・トラッドやアコースティック・カントリー、そして女性プレイヤーの大活躍により、1970年代に匹敵する賑わいとサウンドの多様化をみせています。

とくに女性プレイヤーは、古くからブルーグラスやその前身のサザン・マウンテン・フォーク・ミュージックでは、カーター・ファミリーなど多くが活躍していますが、女性ブルーグラッサーの台頭はバークレー周辺でのローリー・ルイスやキャシー・キャリックの活動、そして15歳のときにニューポート・フォーク・フェスティバルに出演し、18歳にしてグラミー賞にノミネートされたというアリソン・クラウスによって花開いたといえるでしょう。

このアリソン・クラウスの登場によって、それまでは男性プレイヤーが中心だったブルーグラスの世界が一気に広がりました。ドライブ感に少し見劣りが感じられるものの、繊細で華麗な楽器演奏、宗教歌などのカルテット・コーラスで聴くことのできる女性ならではの優雅なコーラス・ワークを堪能できます。

主な女性ブルーグラッサーとして、そのアリソン・クラウスに見いだされたエヴァリンとスーザンのコックス・ファミリーをはじめ、ロンダ・ヴィンセント、リン・モリス、キャシー・キャリック、デール・アン・ブラッドリー、アリソン・ブラウン、ケイト・マッケンジーなどが挙げられます。彼女たちはバンドを組んだり、個々に活動したりと、男性プレイヤーに負けない力強さを持ち、時にはその優雅さが魅力となり活躍しています。こうした女性の進出は一時的な流行から本格的なものへ、さらには確実な定着さえ感じさせる昨今です。

女性の台頭を語る時にもう一人、ブルーグラスとの相乗効果としてアコースティック・カントリーのエミルー・ハリスの人気と実力を忘れることができません。彼女は1947年、アラバマ州バーミングハムの生まれで、ジョーン・バエズやバック・オウエンスなどの影響を受けキャリアをスタートさせました。ワシントンに移住後、元バーズ、フライング・ブリトー・ブラザーズのグラム・パーソンズとの出会いを契機にフォーク、ブルーグラス・シーンで活躍を始め、1975年にリプリーズよりアルバム『緑の天使』でメジャー・デビューを果たします。その可憐で澄んだ歌声は各方面から大絶賛を浴びるようになり、1970年代には、『エリート・ホテル』(76年)、『ブルー・ケンタッキー・ガール』(79年)でグラミー賞を受賞します。デビュー当初はアメリカン・ロックのアーティストやファンから熱い支持を得ていましたが、今や彼女はカントリー界に止まらず、アメリカを代表するヴォーカリストとして世界的に認知されている存在となりました。

さてここに「O SISTER!」というCDがあります。映画「O BROTHER!」にひっかけたタイトルはいかにも便乗そのものですが、聴いてみると確かにこれしかタイトルのつけようがない内容なのです。「サリヴァンの旅」からとったという「O Brother, Where Art Thou?」から、さらに「O SISTER!」が生まれるという妙、女声ブルーグラス・ファンは必ず聴いてみるべきでしょう。ブルーグラスの今を知る意味で最適な一枚だと思います。

O SISTER! WOMEN’S BLUEGRASS COLLECTION
1. If Wishes Were Horses - Claire Lynch
2. Silver Tongue and Gold Plated Lies - Suzanne Thomas
3. Sad Situation - Delia Bell
4. True Life Blues - Hazel Dickens and Alice Gerrard
5. Lonesome Wind Blues - Rhonda Vincent
6.Pardon Me - Cox Family
7.Old River - Hazel Dickens and Ginny Hawker
8.You Tried to Ruin My Name - Wilma Lee Cooper
9.I Can't Find Your Love Any More - Hazel Dickens
10.Just Like Rain - Kathy Kallick with Laurie Lewis
11.Mama's Hand - Lynn Morris
12.Every Time You Say Goodbye - Alison Krauss
13.Blue - The Stevens Sisters
14.Time is Winding Up - Ginny Hawker and Carol Elizabeth Jones
15.Blow, Big Wind - Laurie Lewis
16.Will There Be Any Stars? - The Cox Family with Alison Krauss
17.The Last Old Shovel - Phyllis Boyens
18.Comin' Down from God - Carol Elizabeth Jones
19.Eight More Miles - Laurie Lewis, Claire Lynch, Lynn Morris & Rhonda Vincent
(次回につづく)

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# by scoop8739 | 2004-07-23 10:36 | プロローグ