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51 ブルーグラスの80年って? (その2)

a0038167_16193522.jpg1950年代はブルーグラス音楽にとって黄金期といってもいいでしょう。まずビル・モンローに魅せられてデビューしたのが、ヴァージニア州出身のスタンレー・ブラザーズでした。逆に、レスター・フラットとアール・スクラッグスは、ビルのバンドを離れてマーキュリーから新しいバンドでスタートします。彼らはフォギー・マウンテン・ボーイズと名乗り数々の名曲を世に送り出しました。

ダイナマイト・サウンドのバンジョー奏者ダン・リーノウは、友人のレッド・スマイリー(ギター)を誘ってテネシー・カッタップスを結成し、キング、ドット・レーベルで大活躍をします。

カントリーの老舗レーベル、RCAビクターもこのブルーグラスの波を無視することができず、ロンサム・パイン・フィドラーズというバンドの売り出しにかかります。また系列のデッカでもジミー・マーチン&サニー・マウンテン・ボーイズが活躍しました。

ジム&ジェシーはカントリー伝統の兄弟デュエットを継承しながら、個性豊かなブルーグラス・バンドを結成します。ビル・モンローの荒々しいマンドリンに比べてジェシー・マクレイノルズのそれは優雅そのものでした。彼らはキャピトルにたくさんの曲を録音しています。

50年代の終わりにデビューしたのがオズボーン・ブラザーズでした。兄ボブのテナーの下にコーラスをつけるという新しい手法で人気を獲得しました。また、ブルーグラス・ゴスペルというジャンルを築いたのがカール・ストーリーです。彼らはハーモニー・コーラスの極みを聴かせてくれました。

この4枚組CD-BOXの2.3枚目には黄金期を支えたブルーグラス・スターたちの(今やスタンダードとなっている)名曲が数多く収録されています。

DISC 2:
1. Can't You Hear Me Callin' / Bill Monroe & His Blue Grass Boys
2. Foggy Mountain Breakdwon / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
3. Poor Ellen Smith / Molly O'Day & The Cumberland Mountain Folks
4. The Drunkard's Hell/ The Stanley Brothers & The Clinch Mountain Boys
5. The Lonesome River / The Stanley Brothers & The Clinch Mountain Boys
6. On The Banks Of The River / Wilma Lee & Stoney Cooper
7. The Fields Have Turned Brown / The Stanley Brothers & The Clinch Mountain Boys
8. The White Dove / The Stanley Brothers & The Clinch Mountain Boys
9. Sunny Side Of The Mountain / Wilma Lee
10. I'm A Man Of Constant Sorrow / The Stanley Brothers & The Clinch Mountain Boys
11. I Wonder How The Old Folks Are At Home / Mac Wiseman
12. Uncle Pen / Bill Monroe & His Blue Grass Boys
13. Stoney, Are You Mad At Your Gal / Wilma Lee & Stoney Cooper, Their Clinch Mountain Clan
14. When The Angels Rolled The Stone Away / Lynn Davis
15. Earl's Breakdown / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
16. Don't Get Above Your Raising / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
17. Are You Missing Me? / Jim & Jesse, The Virginia Boys
18. Why Did You Wander? / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
19. Flint Hill Special / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
20. I'll Go Stepping Too / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
21. Love And Wealth / Carl Story & His Rambling Mountaineers
22. 20/20 Vision / Jimmy Martin & The Osborne Brothers
23. My Lord Keeps A Record / Carl Story & His Rambling Mountaineers
24. I Love The Hymns They Sang At Mother's Grave / Carl Story & His Rambling Mountaineers
25. Reunion In Heaven / Carl Story & His Rambling Mountaineers
26. Don't You Hear Jerusalem Mourn / Carl Story & His Rambling Mountaineers
27. Hitch Hiker's Blues / Jack Youngblood

DISC 3:
1. The Martha White Theme / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
2. Don't Let Your Deal Go Down / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
3. Seven Year Blues / The Webster Brothers
4. Get Down On Your Knees And Pray / Bill & Mary Reid,The Melody Mountaineers
5. Somebody Touched Me / Carl Butler & The Webster Brothers
6. Feudin' Banjos / Arthur Smith & Don Remo
7. Ruby Are You Mad / The Osborne Brothers & Red Allen
8. Knoxville Girl / The Louvin Brothers
9. Once More / The Osborne Brothers & Red Allen
10. Twin Banjo Special / Joe Maphis
11. Gosh, I Miss You All The Time / Jim & Jesse & The Virginia Boys
12. You Don't Know My Mind / Jimmy Martin & The Sunny Mountain Boys
13. Rank Stranger / The Stanley Brothers
14. My Empty Arms / Jim & Jesse & The Virginia Boys
15. Foggy Mountain Top / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys & Mother Maybelle Carter
16. Beautiful Moon Of Kentucky / Jim & Jesse & The Virginia Boys
17. Stoney Creek / Jim & Jesse & The Virginia Boys
18. She Left Me Standing On The Mountain / Jim & Jesse & The Virginia Boys
19. Sunny Side Of The Mountain / Jimmy Martin & The Sunny Mountain Boys
20. Just Joshing / Arthur Smith
21. To The Top OF The World, (It's A Long, Long Way) / Jim & Jesse & The Virginia Boys
22. Cotton Mill Man / Jim & Jesse & The Virginia Boys
23. Since Wedding Bells Have Rung / Don Reno
24. Rosalee / Granpa Jones
25. No More Goodbyes / Sara Carter & Maybelle Carter
26. The Ballad Of Jed Clampett / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
27. Rabbit In The Log / Jim & Jesse & The Virginia Boys
28. Rocky Top / The Osborne Brothers
29. Mountain Dew / Grandpa Jones
30. Dueling Banjos / Eric Weissberg/Steve Mandell

60年代はフォーク・リバイバルの波に乗って、ワシントンD.C.から続々と新しいグループが現れます。その中でも代表がモダン・ブルーグラスを得意としたカントリー・ジェントルメンでした。彼らはジャズやポピュラーをアレンジして新しいサウンドを作り出したのです。さらに都会育ちの若者が彼らに続いて現れます。

ボストンからはビル・キースとジム・ルーニー、ニューヨークからはグリーンブライア・ボーイズ、チャールズ・リバー・バレー・ボーイズなどが生まれました。また西海岸から現れたケンタッキー・カーネルズのクラレンス・ホワイトは、その革新的なリード・ギターでブルーグラスの歴史を塗り替えます。(残念ながらレーベルの関係でこの4枚組CD-BOXにはこれらのグループは収録されていません)(次回につづく)

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by scoop8739 | 2005-01-04 16:22 | ブルーグラスの歴史

50 ブルーグラスの80年って? (その1)

a0038167_13295156.jpgこんな4枚組CD-BOXが発売されています。
題して「CAN'T YOU HEAR ME CALLIN' 〜 BLUEGRASS : 80 YEARS OF AMERICAN MUSIC」。「ブルーグラス音楽って、もう80年にもなるのか?」と首を傾げたくもなりますが、よくよくタイトルを読むと、「ブルーグラス:アメリカ音楽の80年」となっているではありませんか。つまり、ビル・モンローが「ブルーグラス音楽」という形式を完成させる以前の、初期のヒルビリー音楽やストリング・バンドからのものを含めて80年だというのです。

たしかにブルーグラス音楽は、もともと1920〜30年代に大流行したストリング・バンドの伝統から生まれたものとされています。マウンテン、ヒルビリー系のミュージシャンたちは1920年代半ば頃からレコードに吹き込み始めます。これは商業レコードが急速に広まり始めた頃のことで、南部の民謡や民族音楽を求めて、それを商売にしようとするレコード業者が頻繁に彼らの演奏をレコード化して売り始めたのが始まりでした。

レコード業者は南部山間地に入り込んで、才能ある歌い手、弾き手をスカウトし、レコードに吹き込んでいきました。とくにオウケー、コロムビア、ボッカリオンの3社はヒルビリー音楽を専門とし、これに大会社のビクターも追随し、続々とスターを生み出していったのです。

この4枚組CD-BOXの1枚目には、そんなヒルビリー系の歌手、グループの代表選手が収められています。フィドルのギド・ターナーと彼のスキレット・リッカーズはヒルビリー音楽にジャズやポピュラー音楽を結びつける試みをしています。これに少し遅れて現れたのがチャーリー・プールとノース・キャロライナ・ランブラーズでした。チャーリーのバンジョー奏法は独特のもので、バンドのアンサンブルはやや複雑なものとなり、その後のストリング・バンドの手本となりました。

初期ヒルビリーを代表する歌手は何といってもジミー・ロジャースです。彼は早くもヒルビリーと各種音楽との融合を試み大成功を収めました。それはブルース、ハワイアン、ジャズ、ジャグ・バンドなどの要素を程よくブレンドして、ヒルビリーの魅力を全米のファンにアピールしたのです(残念ながらこのCDには収録されていません)。

グループとして成功を収めたのが、カーター・ファミリーでした。南部の田園風景をイメージさせる曲や、ゴスペル・ソングに手腕を発揮して人気者となりました。両者ともアマチュアからプロになっての活躍でしたが、そうした機会を与えたのがラルフ・ピアという人物で、彼はテネシー州ブリストルで大規模なタレント・オーディションを行い、次々とプロとして成功可能なミュージシャンを発掘していったといわれています。1930年代になるとロイ・エイカフが現れます。彼はスモーキー・マウンテン・ボーイズを率いて、グランド・オール・オープリーで歌手としての存在を強く打ち出すきっかけとなりました。

そして忘れてはならないのが、モンロー・ブラザーズの存在です。ビル・モンローは1936〜38年の3年間、兄チャーリーとともにバンドを組んで活躍します。彼らはアパラチア南部の伝承的なスタイルで、チャーリーがギター、ビルはマンドリンを弾きながら歌っていました。この頃からビルはマンドリンに優れた才能を見せており、非常に早いテンポの演奏をします。彼はジャズに傾倒しているウェスタン・スィングの影響を受けながらブルーグラスの音楽形態を考えたといわれています。

その後ビル・モンローは兄の元を離れブルー・グラス・ボーイズを結成。このバンドをバックにグランド・オール・オープリーにデビューを果たします。この時歌ったのがジミー・ロジャースのヒット曲「ミュール・スキナー・ブルース(ブルー・ヨーデルNo.8)」でした。不思議なことに、この曲でビルはギターを弾いて歌っています。

今日のブルーグラスの楽器編成に近づいたのは彼らがコロムビアで録音を始めた頃です。しかし1946年の録音にはまだアコーディオンが使われています。さていよいよレスター・フラット、アール・スクラッグス、チャビー・ワイズら加入してからの録音は1946年9月16日に行われます。このアップテンポの革新的なストリング・バンド音楽こそ、ブルーグラス音楽の歴史的な誕生だったのです。

DISC 1:
1. Sodier's Joy / Gid Tanner & His Skillet Lickers
2. Don't Let Your Deal Go Down Blues / Charlie Poole & The North Carolina Ramblers
3. White House Blues / Charlie Poole & The North Carolina Ramblers
4. Bill Mason / Charlie Poole & The North Carolina Ramblers
5. Cannon Ball Blues / The Carter Family
6. D Blues / Blue Ridge Ramblers
7. Keep On The Sunny Side / The Carter Family
8. What Would You Give In Exchange (For Your Soul)? / The Monroe Brothers
9. I'm Thinking Tonight Of My Blue Eyes / The Carter Family
10. Great Speckle Bird / Roy Acuff & His Crazy Tennesseans
11. Orange Blossom Special / Roy Hall & His Blue Ridge Entertainers
12. Ida Red / Roy Acuff & His Smoky Mountain Boys
13. Pretty Polly / The Coon Creek Girls
14. Lonesome Old River Blues / Roy Acuff & His Smoky Mountain Boys
15. Mule Skinner Blues / Bill Monroe & His Blue Grass Boys
16. Wreck On The Highway / Roy Acuff & His Smoky Mountain Boys
17. The Drunkard's Gave / The Bailes Brothers
18. Rocky Road Blues / Bill Monroe & His Blue Grass Boys
19. Searching For A Soldier's Grave / The Bailes Brothers
20. Blue Moon Of Kentucky / Bill Monroe & His Blue Grass Boys
21. Dust On The Bible / The Bailes Brothers
22. I Heard My Mother Weeping / Molly O'Day & The Cumberland Mountain Folks
23. Will You Be Loving Another Man? / Bill Monroe & His Blue Grass Boys
24. Blue Grass Breakdown / Bill Monroe & His Blue Grass Boys
25. It's Mighty Dark To Travel / Bill Monroe & His Blue Grass Boys
26. Molly And Tenbrooks (The Race Horse Song) / Bill Monroe & His Blue Grass Boys
27. Black Mountain Rag / Roy Acuff & His Smoky Mountain Boys
(次回へつづく)

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by scoop8739 | 2005-01-04 13:33 | ブルーグラスの歴史