カテゴリ:カントリー・ジェントルメン( 34 )

164 カントリー・ジェントルメンを聴き倒す (4)

ファースト・レコーディング(The First Recording)

1957年9月、彼らは「ディキシー」という彼らのプライベート・レーベルで、シングル盤用に初めてのレコーディングを行ないます。レコーディング・パーソナルは同じくワシントンD.C.出身の、フィドルにジョン・ヘイル(John Hail)、ベースにトム・モーガン(Tom Morgan)というミュージシャンを加えて、ブルーグラス史上初の都会(東部)人によるブルーグラス・ミュージシャンのレコードが作られたのでした。

かつて(1923年)、ビクターがフィドリン・ジョー・カースンの「Little Old Cabin In The Lane」を出来が悪いという理由で、レコード番号なしでテスト発売したことがありましたが(後に番号をつけて発売したのは再吹き込みマスターでした)、ジェントルメンのディキシー盤にもレコード番号はつけられませんでした。

さて,この時に録音されたのは「Going to The Races」と「Heavenward Bound」の2曲でした。この2曲に関しては、私の手元に音源がないために解説のしようがありません。しかし後年、「Heavenward Bound」の方はレベル・レコードからリメイクされてリリースされます。ジョン・ダフィー作となるこの曲を聴く限り、あまり華やかな感じがしましません。

また「Going to The Races」は、1964年にフォークウェイズからのライヴ盤「Going Back To The Blue Ridge Mountain」(残念ながらCD化されていません。早くCD化されることを望んでいます)にリメイクされて収録されます。この曲はカーター・スタンレー作の「Gonna Paint The Town」を下敷きに作られていて、まさにスタンレー・ブラザーズのスタイルで演奏されています。

【資料参考:King Records “Country Gentlemen / High Lonesome”(レコード番号3510-2-2)】

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by scoop8739 | 2006-01-15 22:53 | カントリー・ジェントルメン

163 カントリー・ジェントルメンを聴き倒す (3)

イン・ザ・ビギニング(In The Beginning)

カントリー・ジェントルメンは1960年代に最も有名かつ強力なバンドでした。彼らが誕生したのは1957年7月4日と言われています。きっかけはバンジョー奏者のビル・エマーソンでした。彼は1938年1月27日ワシントンD.C.に生まれ、少年時代にスミッティ・アーヴィンにバンジョーを習った後、アーヴィン・ファミリーに加入してワシントンD.C.にて初めてプロ・デビューを果たします。

彼はすぐにバズ・バズビーのバイユー・ボーイズというバンドに移籍しましたが、そこにはギター奏者のチャーリー・ウォーラーという青年が在籍していました。チャーリーは1935年1月19日テキサス生まれの、少年時代をルイジアナの綿畑で過ごしたという典型的な「プアー・ボーイ」でした。彼はカントリー・シンガーのハンク・スノウやマック・ワイズマンをアイドルとして育ち、力強い歌唱力を持った非常に優れたギタリストと成長します。

1955年のある日、バズ(マンドリン)を含むメンバー数人が自動車事故に遭い入院を余儀なくされました。残されたビルとチャーリーは、その夜にブッキングされていた居酒屋でのステージをキャンセルしたくないと思い、バズの代役としてビルの少年時代からの友人だったジョン・ダフィという青年を連れてきます。ジョンは1934年メリーランド州ベセズダの生まれで、少年時代から聖歌隊で歌い、青年期に多くのアマチュア・バンドでその腕を磨いていました。彼は独特の力強い歌い方をするテナー・シンガーで、マンドリンのスタイルは活気に溢れる斬新なものでした。

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こうして急場しのぎで組み立てられたバンドでしたが、3人は多分にもれず息投合し、その頃都会で人気の出始めていたオズボーン・ブラザースのボーカル・スタイルを取り入れたトリオ・コーラスを売りに人気を集めます。こうして彼らはブルーリッジ・レーベルの社長であり、有名なD.J.だったドン・ウェンズの紹介を貰い、ヴァージニア州アーリントンのWARL局を中心にワシントンD.C.周辺のバーやクラブで活動し腕を磨いたのでした。さらに数ヶ月間ほど演奏活動を続けた後、3人は新しくバンドを結成することを決めました。ジョン23歳、チャーリー22歳、ビル19歳という若いグループ「カントリー・ジェントルメン」の誕生でした。

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by scoop8739 | 2006-01-12 20:38 | カントリー・ジェントルメン

162 カントリー・ジェントルメンを聴き倒す (2)

カントリー・ジェントルメン、本邦初登場。

カントリー・ジェントルメンのレコードが日本で初めて発売されたのは1963(昭和38)年7月のことでした。前年にはキングストン・トリオの「花はどこへ行った」が、またこの年にはピーター・ポール&マリーの「パフ」、ボブ・ディランの「風に吹かれて」が発売され、フォーク・ムーブメントが我が国にも上陸し、カレッジ・フォークのつぼみが形成されていきます。ちなみに第一回スチューデント・フェスティバル・コンサートはこの年の8月31日に今はなき銀座ガスホールで開かれています。しかしまだフォーク・ソングのバンドは出演していなく、カントリー・メッセンジャーズ、ウェイフェアリング・ストレンジャーズ、カントリー・クインテットといった、約15のカントリー&ウエスタン系のバンドばかりでした。

a0038167_20544728.jpgさて、「ベスト・オブ・カントリー・ジェントルメン」とタイトルされたこのアルバムは、キング・レコードよりロンドン・レーベルでリリースされています(レコード番号:London MH-46)。このアルバムはマーキュリーの名盤「フォーク・セッション・インサイド」に至るまでの過渡期、いわば試行錯誤を繰り返した時期ともいうべき1958年頃から62年頃までの間に、スターディに録音された曲を集めたものでした。つまり完成形に至るまでのプロトタイプと言えるものだったのです。

A面
レッド・ロッキング・チェアー (Red Rockin' Chair)
二人の少年 (Two Little Boys)
びっこのウィリー少年 (Willie Roy, The Crippled Boy)
サンライズ (Sunrise)
沈黙と涙 (Silence Or Tears)
フリーダム・ベル (New Freedom Bell)
ザ・チャーチ・バック・ホーム (The Church Back Home)
B面
我が心は終りぬ (I Know I've Lost You)
ボクだけのこと (Nobody's Business)
水、静かなるところ (Down Where The Still Waters Flow)
カントリー・コンサート (Country Concert)
トムへの手紙 (A Letter To Tom)
おとめの挽歌 (I'll Never Marry)
この神の子等 (These Men Of God)

これは、現在では「Bluegrass At Carnegie Hall」というタイトルでCDになっているものと、曲順こそ違え全く同じものです。さて次回からは、カントリー・ジェントルメンの歴史と、彼らが録音した数多くの曲を、できるかぎり順を追って解説していきたいと思います。

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by scoop8739 | 2006-01-11 20:55 | カントリー・ジェントルメン

161 カントリー・ジェントルメンを聴き倒す (1)

カントリー・ジェントルメン、いまだに人気衰えず。

2006年になったばかりの1月1日、ヤフー・オークションにカントリー・ジェントルメンの古いレコードが出品されました。それは1966年6月に発売された日本盤「フォーク・ヒッツ・ブルーグラス・スタイル」、1967年4月に発売された輸入盤「Sing Live From The Stage Of The Roanoke Bluegrass Festival」、そしてもう1枚は1968年3月に発売された日本盤「ジェシー・ジェイムス」の3枚でした。

a0038167_2141513.jpgそれぞれのレコードは初め800円の値がつけられてスタートします。そして1週間後の8日、終了間際に3枚のうちの1枚、「フォーク・ヒッツ・ブルーグラス・スタイル」がとんでもない入札ラッシュとなり、とうとう7750円という値で落札されたのでした。

今でこそこのレコードに収められている曲は、2001年6月にキング(スターディ)からリリースされたCD「High Lonesome」にすべて収録されていますが、かつては日本だけの発売だったためにマニアの間では「幻のアルバム」と呼ばれていて、本国アメリカではレア盤になっていると聞いたことがあります。

A面
風に吹かれて (Blowing In The Wind)
500マイル (Five Hundred Miles)
この国はみんなの国 (This Land Is Your Land)
ホーム・スウィート・ホーム (Home Sweet Home)
ロング・ジャニー・ホーム (Long Journey Home)
テイク・ディス・ハンマー (Take This Hammer)
おお、スザンナ (Oh Susanna)
B面
草競馬 (Camptown Races)
レッド・リヴァー・ヴァレー (Red River Valley)
フリー・リトル・バード (Free Little Bird)
マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム (My Old Kentucky Home)
ローズ・コネリー (Rose Connelly)
グッドバイ・ケイティー (Goodbye Katie)
蛍の光 (Auld Lang Syne)

曲名でおわかりの通り、これは1960年代半ばのフォーク・ブーム当時、わりとポピュラーだった曲ばかりを集め、日本キング・レコードが独自に企画して日本盤だけのために特別に録音したものです。レコーディングに際して、メンバーはあまり時間がかけられず、わりと短時間に終わらせたと言われています。

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by scoop8739 | 2006-01-10 21:45 | カントリー・ジェントルメン