24 フェスティバルの隆盛とジャムの楽しさ

a0038167_936434.jpgフォーク・リバイバル以降、フォーク・フェスティバルのような屋外での演奏人気が沸騰し始めます。ブルーグラス・フェスティバルも多分に漏れず、主催者がサマー・シーズンの週末の3〜4日間に林間キャンプ場のような場所を使い、プロのバンドを集めてブルーグラス音楽を観衆に聴かせるというイベントです。ロックの世界で有名なのは、1970年に「ウッドストック」というところで開催されたフェスティバルです。しかしブルーグラスはあれほど無秩序ではなく、どちらかというと長閑でアットホームな雰囲気の中で行われます。

フェスティバルの基礎が作られたのは、1965年にヴァージニア州ロアノークで開催されたものが最初でした。このフェスティバルでは、ニューポートなどのフォーク・フェスティバルの要素にカントリー・ミュージック・ショー・パークのようなものが組み合わされ、昼間はワーク・ショップ(プロの演奏者による技術指導)やアマチュアによるコンテストが行われます。そして夜になるとフェスティバルのハイライトであるブルーグラスのビッグ・ネームたちによるコンサートがあるのです。さらに最終日である日曜の朝にはゴスペル・コンサートが行われ、午後にはフェスティバルの最後のイベントで締めくくられます。

この最後のイベントは、例えばビル・モンローのバンドのかつてのメンバーが、ほぼモンローと一緒に仕事をした順に登場し、彼らはモンローと録音した歌を再現するのです。つまりこれが「ザ・ストーリー・オブ・ブルーグラス」と言われるイベントで、これ以降スタンレー・ブラザーズによるものや、ジミー・マーチンによるものなど、ビッグ・ネームを中心としたストーリーが次々と作られていきました。

さて、フェスティバルで世界的にもっとも有名なものは、毎年インディアナ州ブラウン郡ビーン・ブロッサム村で開催されている「ビーン・ブロッサム・ブルーグラス・フェスティバル」ではないでしょうか。このフェスティバルはブルーグラスの父、故ビル・モンローが主催し、自ら出演していました。このビーン・ブロッサムの模様は、現在でもCDで伺い知ることができます。御大ビル・モンローのほかに、レスター・フラットとナッシュヴィル・グラス、ジム・アンド・ジェシー、ジミー・マーティンなど、往年のビッグ・ネームたちの演奏が1枚のCDに収められています。

ところでわが国では、神戸郊外三田市で行われる「宝塚ブルーグラス・フェスティバル」と、箱根「夕日の滝キャンプ場」で開催される「箱根ブルーグラス・フェスティバル」がもっとも有名ですが、春から秋にかけては日本各地で数多くのフェスティバルが開催されています。

日本の場合、プロのブルーグラス・ミュージシャンというものがそんなにいないので、フェスティバルでは午後から夕方にかけてアマチュアのバンドがそれぞれ1バンド20分か30分程度の演奏をし、これが夜の更けるまで延々と続きます。それをずっと聴いているだけでも相当なものですが、夜も更けてステージが終わると、今度はあちこちでビールやバーボンで酔っぱらった参加者によるジャム・セッションが始まります。

ジャム・セッションでは10数人がそれぞれの楽器を持って一緒に歌い演奏します。いつもはそれぞれの地域で別々のバンドで活動している人たちですが、それまでは見ず知らずの人たちが一堂に会して、ブルーグラスのスタンダードを中心にいろんな曲を歌い、コーラスをし、即興演奏をします。何曲か、または何コーラスか進んでいくと、どこからともなく「アドリブで演奏しろ」と声が飛び交います。それに応えて見事に演奏し終わると大歓迎されるのです。それほど見事なテクニックでなくても仲間入りして夜が明けるまで、または全員が酔いつぶれるまで次から次へと曲を変えて同じことがくり返されます。周りを見るとこのような輪が会場のあちこちにいくつもあって、それぞれがアドリブの腕を競い合っています。

Bean Blossom (MCA)
1. Mule Skinner Blues [Live]
2. You Won't Be Satisfied That Way [Live]
3. Uncle Pen [Live]
4. Blue Moon of Kentucky [Live]
5. Ole Slew Foot [Live]
6. Sweet Little Miss Blue Eyes [Live]
7. Please Be My Love [Live]
8. I Wish You Knew [Live]
9. Love Please Come Home [Live]
10. Train 45 (Heading South) [Live]
11. Bonny [Live]
12. When My Blue Moon Turns to Gold Again [Live]
13. Hit Parade of Love [Live]
14. Mary Ann [Live]
15. Sunny Side of the Mountain [Live]
16. Free Form Man [Live]
17. Tennessee [Live]
18. Roll in My Sweet Baby's Arms [Live]
19. Feudin' Banjos [Live]
20. Ballad of Jed Clampett [Live]
21. Roll on Buddy, Roll On [Live]
22. I Wonder Where You Are Tonight [Live]
23. Orange Blossom Special [Live]
24. Fiddler Roll Call/Down Yonder [Live]
25. Soldier's Joy [Live]
26. Grey Eagle [Live]
27. Swing Low, Sweet Chariot [Live]
(次回につづく)

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by scoop8739 | 2004-08-26 09:34 | ブルーグラスの歴史
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