02 ブルーグラス音楽って何?

ぼくがいつも「ブルーグラス音楽」のことを話すと、大抵の人は「どんな音楽ですか?」と聞いてきます。そこでぼくは、「アメリカのフォーク・ソングとカントリー音楽を足して2で割ったようなもので、バンジョーやらバイオリンなんかを使って演奏されるもの」と答えています。

「ブルーグラス音楽」を聴いてもらう時に一番ポピュラーな曲としては、映画『俺たちに明日はない』のテーマにも使われた「フォギー・マウンテン・ブレイクダウン」(Foggy Mountain Breakdown)を挙げています。この曲はバンジョーを中心とした器楽曲(インストゥルメンタル)ですが、こう言うと、「あヽあの駆け出したくなるような音楽ね…」と、これまた短絡的にイメージされる方がおられます。それはそれで決して間違ってはいないのですが、「ブルーグラス音楽」には駆け出さなくていい曲もたくさんあります。例えば「ケンタッキーの青い月」(Blue Moon Of Kentucky)という曲は、エルヴィス・プレスリーのマイナー・レーベル(サン・レコード)時代のデビュー・レコード「ザッツ・オールライト・ママ」(That’s Alright Mama)のカップリング曲としても有名ですが、スローなバラード仕立ての佳曲です。

また、「ブルーグラス音楽」を演奏する代表的な歌手(グループ)と言ってもあまり一般的ではありませんが、「ブルーグラス音楽」の創始者であるビル・モンローと彼のブルー・グラス・ボーイズ(Bill Monroe and His Blue Grass Boys)や、先ほどの「フォギー・マウンテン・ブレイクダウン」という曲を演奏したレスター・フラットとアール・スクラッグスとフォギー・マウンテン・ボーイズ(Lester Flatt & Earl Scruggs, and The Foggy Mountain Boys)、そして彼らと同時期に活動を始めたスタンレー・ブラザーズとクリンチ・マウンテン・ボーイズ(Stanley Brothers and The Clinch Mountain Boys)の3つのグループが古典的な意味でブルーグラス音楽を代表するバンドだと言えます。

ところで、「ブルーグラス音楽」を定義するには少し議論が必要に思えますので、簡単にぼくなりの見解を述べさせていただきますと、「ブルーグラス音楽」とは1940年代半ばにビル・モンローを中心として作られたもので、音楽ジャンルとしては一般的には「カントリー&ウェスタン」 の中に分類されます。「ブルーグラス」の名が示す通り、土の香り豊かな民族音楽としてアメリカのテネシー州、ケンタッキー州など合衆国の南東部を中心に世代を超えて根強いファンによって支持され続けている音楽なのです。最近、コーエン兄弟の製作した映画「オー・ブラザー」がヒットし再びブルーグラス音楽が脚光を浴びるようになりましたが、こうした下地があってこその結果だと思えます。(次回につづく)

人気blogランキングへ
[PR]
by scoop8739 | 2004-07-20 11:13 | プロローグ
<< 03 映画「オー・ブラザー」の... 01 誰も作らないので >>