190 カントリー・ジェントルメンを聴き倒す (29)

スターディ時代 (12)

ジェントルメンはスターディ社との契約に不満を抱き、新たにレベル社と契約するや次々とレコーディングを始めました。そこでスターディ社は1963年4月11日、彼らとの最後のシングル盤制作のセッションをウィンウッド・スタジオで行います。この日レコーディングされたのがシングル用の曲「どぶろく造りのやかん」(Copper Kettle)と、「ナイトウォーク」、「ジェシー・ジェイムズ」の計3曲でした。

「どぶろく造りのやかん」は、アルバート・フランク・ベドウ作のいかにも通好みの一風変わったムードを持った曲で、ボブ・ディランやジョーン・バエズによっても歌われています。チャーリーはラジオでこの曲を聴いて、バンドで演奏してみようと思い立ったのだそうです。なお、この曲は以前に録音されていた「サンライズ」とのカップリングで翌5月にシングル・リリースされると、ソルト・レイク・シティのカントリー・チャートで1位を獲得しています。

しかしながら、このとき彼らはより広範な全米的人気を得るチャンスを逃しています。というのも、この曲はキングストン・トリオの「トム・ドゥーリー」と同様に全米ヒットさえ可能と思われたのでした。ところがメンバーのジョン・ダフィーは、ミュージック・ビジネスに対して頑までの警戒心からメジャー・レーベル(たぶんマーキュリー)からのリリースを拒否したのでした。その結果、彼らはフォーク・ブームの絶好のチャンスに、その音楽性では圧倒的に優位であったにもかかわらず、全米的な名声を逃してしまったのでした。

閑話休題。「ナイトウォーク」はエディ・アドコックによるインストゥルメンタル曲です。 いうまでもなくこの曲は、それまでのブルーグラスにないタイプのものでした。ピートがペプシ・コーラの瓶を釘でリズムをとると、エディのバンジョーがテンポよくスタートします。まさにブルーグラス・ジャズと呼ばれるに相応しい名曲の誕生でした。

「ジェシー・ジェイムズ」は、アメリカ南部に実際に存在した“鼠小僧”のような怪盗を歌った曲で、フォークウェイズでのデビュー・アルバム「カントリー・ソング・オールド・アンド・ニュー」にも収録されています。ジェントルメンの歌う数多いトラッド・ナンバーの中でも、とりわけ人気の高い曲です。

【資料参考:King Records“Country Gentlemen / High Lonesome”(レコード番号3510-2-2)】

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by scoop8739 | 2006-04-02 10:35 | カントリー・ジェントルメン
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