187 カントリー・ジェントルメンを聴き倒す (27)

フォークウェイズ・デイズ (10)

a0038167_17162636.jpgカントリー・ジェントルメンのフォークウェイズ3作目にして最初のライヴ・アルバム「オン・ザ・ロード」は、それまでブルーグラスが演奏される場所とは全く異なる場面、観客へのアプローチで、彼らの面目躍如たるところを示してくれました。このアルバムのB面は、オハイオ州コロンバスのあるセイクレッド・マッシュルームというコーヒー・ハウスで行われたライヴの模様をレコーディングしたものです。

1曲目の「心の痛手」(Heartaches)は、1947年にヒットしたジャズ系ポピュラーのスタンダード曲です。ジェントルメンは「サンライズ」で示したように、ブルーグラスとは少し離れた切り口、ニュアンスで、この曲を彼らなりのアレンジで聴かせています。

2曲目の「グラス・オブ・ワイン」(Little Glass Of Wine)は、スタンレー・ブラザーズも歌っていた殺人をテーマにした曲です。恋人の不実を誤解した男性が、ブドウ酒のグラスに毒を入れて殺人を犯し、自らもそれを飲んで死んでいったという話です。

3曲目「エルサレムを歩いて」(Walking In Jerusalem)は、次の曲「私は巡礼者」同様、キリストの伝導の旅をテーマにしたもので、エルサレムの歴史的叙述を素材にしています。

4曲目の「私は巡礼者」(I Am A Pilgrim)も前曲同様のセイクレッド曲で、素材は旧約聖書の創世記にある「アブラハムの放浪」から持ってきています。作者はお馴染みのカントリー・シンガーのマール・トラヴィスで、この曲は大御所ビル・モンロウや、ケンタッキー・カーネルズなどもレコーディングしているほど、今ではブルーグラスの名曲となっています。

5曲目「トムへの手紙」(Letter To Tom)は、1960年1月のスターディ3度目のセッションを最初に、カーネギー・ホール・コンサートでも取り上げている彼らのお得意のナンバーです。

6曲目の「ロウ・ハイド」(Raw Hide)は、ブルーグラス・インストゥルメンタルの定番曲で、ビル・モンロウの作です。ジェントルメンのライヴでは必ずと言っていいほど取り上げられています。マンドリンの演奏技術がたっぷりと聴けるもので、ジョンの弦も切れんばかりの迫力ある演奏を楽しめます。

7曲目はコミカルにアレンジした「ブルー・リッジ・マウンテン・ブルース」(Blue Ridge Mountain Blues)です。アパラチアン山系のスモーキーな山小屋の背景描写が数多く使用されています。ジェントルメンはこの曲をおもしろおかしく、英国人風な訛りで歌い、観客の大受けを得ています。

このアルバムでは、ダフィ、ウォーラー、アドコック、グレイの“クラシック・カントリー・ジェントルメン”による、彼らにしか為し得ないハイ・テンション・ブルーグラスの真髄を聴くことができます。


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by scoop8739 | 2006-03-26 17:27 | カントリー・ジェントルメン
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