177 時系列で聴くカントリー・ジェントルメン (17)

フォークウェイズへの録音 (4)

1961年はカントリー・ジェントルメンが飛躍する年となりました。5月にはオバリンにある大学で初めてのコンサートを行い、9月には音楽誌「シング・アウト」主催によるカーネギー・ホールでのコンサートに出演します。これらにより彼らは本拠地ワシントンD.C.のみならず、東海岸のフォーク界に影響を及ぼす存在へとなっていきます。

a0038167_1613345.jpgさて、フォークウェイズ社から発売された前作「カントリー・ソング・オールド・アンド・ニュー」が好評だったので、ジェントルメンはこの年に同レーベルでの第2弾アルバムを企画します。このアルバムは前作と違ってベースにトム・グレイが加わったため、彼の4ビート・ベースを強調して作られています。

これはスターディ盤でのレコードの音質の悪さを克服したもので、エンジニアのピート・カイケンダルはジョン・ダフィーの指示のままに、ベースの音がちゃんと聴こえるように原盤作りを進めます。その結果,独特のサウンドに仕上がりますが、それは特にトリオ・コーラスの部分に多く現れています。つまり、ベース以外のメンバーはリズム・ワークを気にせずに自分のボーカルに集中できるようになったのです。

こうして出来上がったアルバムは全16曲のうち器楽曲はたったの3曲で、ボーカル曲の13曲のうち8曲がトリオで歌われていて、さらにそのうちの4曲は最初から最後まで一貫してトリオで歌われています。こうしたアルバム制作の意図によって、ジェントルメンは若いバンドとしての力強さの多くを再現できたと思われます。

このサウンドは「プログレッシヴ・ブルーグラス」と呼ばれるようになりますが、1960年初頭においてはブルーグラス本来の形からの過激な離脱のように思えました。ところが、このサウンドは東海岸の大学生を中心とする多くの聴衆に支持され、大いなる成功を収めたのでした。

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by scoop8739 | 2006-02-26 16:14 | カントリー・ジェントルメン
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