(I Didn't Know What Time Is)
好きなことをしていると、誰しも時を忘れてしまうものです。
ボクの場合、大好きな音楽を聴いていたり、時間に追われないことに没頭している時間がそうです。もっと若ければ恋して、好きな人と過ごしている時間がそうだったのかもしれないけれど…。恋してる二人には一緒にいる時間が短くも感じ、時さえ忘れてしまうものです。
“私があなたと逢ったのはいつの頃だったろう。素晴らしい時だった。まさに最高だった。あれはいつの日だったろう”と始まる「時さえ忘れて」は、1939年に上演されたミュージカル「トゥー・メニー・ガールズ」(Too Many Girls)のナンバーで、ロレンツ・ハート作詞、リチャード・ロジャース作曲という、日本でいうところの往年の松本隆、筒美京平のようなメジャー・コンビによる曲でした。
この曲はその後1957年、フランク・シナトラが映画「夜の豹」の中でも歌ったり、スタンダードとしてエラ・フィッツジェラルドやトニー・ベネットなど多くの歌手に歌われています。
ペギー・リーは1953年の録音でスローなヴァースを丁寧に歌い上げ、コーラス部分ではスウィング・テンポのいいノリで快唱しています。アニタ・オデイも「アン・イヴニング・ウィズ・オデイ」というレコードで優れた歌唱を残していますが、ベティ・カーター「ファイナリー」や、カーメン・マクレエ「イン・パースン」などもこの曲を取り上げ見事に歌い上げています。
ブルーグラスをテーマにいろんな事を書いていると「時さえ忘れて」しまうものです。ボクにとってそれは、恋して、好きな人と一緒にいる時間よりももっと愉しい時間なのかも知れません。今回はブルーグラスの曲ではないのですが、こんな曲で今年を締めくくりたいと思います。
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