153 クリスマス・ソングをブルーグラスで (18)

サンタクロース (Santa Claus)

a0038167_20445994.jpgクリスマスとセットになって考えられているサンタクロースですが、そのスタイルは世界各国さまざまです。ドイツやオランダのサンタクロースは大きな袋と杖を持って従者を連れていて、良い子供にはプレゼントをあげ、悪い子供は杖で叩くという筋立てになっています。またイタリアでは黒いドレスを着た魔女が、スペインでは3人の王が子供たちにプレゼントを運ぶと言われています。

サンタクロースのモデルは、4世紀にローマのミュラ地方(現在のトルコ)に生きた司教.聖ニコラス(St Nicholas, Sintaklaas)と言われています。賢く慈悲の精神にあふれた聖ニコラスは生前、自分の財産すべてを貧しい人々の救済に使い、多くの人々に慕われました。遺体はミュラ地方に埋葬されたのですが、11世紀にイタリアの商人が南イタリアの教会へ持ち去ったため、多数の信者が南イタリアまで巡礼するようになり、聖ニコラスの伝説がヨーロッパ中に広まったということです。

一方、古代インドに伝えられた聖ニコラスの伝説は、「シヴァ神」と同体の神となり、「摩訶迦羅天(まかからてん)」と呼ばれるようになりました。そのうち、摩訶(まか)は「大」、「迦羅(から)」は「黒暗」の意味なので、大黒天と呼ばれるようになりました。打出の小槌と大きな袋を持った姿から、幸福と財宝を人々に与える神様とされています。いつの頃からなのか、この神の像を寺院の台所に祀るようになりました。寺院の奥様を「大黒様」といい、それを掲げる柱、すなわち「大黒様を支えるもの」に「大黒柱」という言葉が使われるようになりますが、「我が家の大黒柱」とは幸福と財宝を支える柱のことです。

「大きな袋を肩にかけ、だいこく様が来かかると、そこに因幡(いなば)の白兎、皮をむかれて赤裸」という唱があります。勿論だいこく様は、だまされて赤裸になった白兎を助け、全身にふさふさとした毛を生やしてやります。これは、日本の伝承(「古事記」など)にある「大国主命(おおくにぬしのみこと)」の話です。だが、それを略して「大国」とし、さらに「だいこく」と読んだことから、混同して伝えられた伝承もあります。「古事記」に書かれている大国主命も大きな袋を肩にかけています。

アメリカのサンタクロースのイメージは、赤い服と白いひげの優しいおじいさんです。空飛ぶトナカイに引かれたそりに大きなプレゼントの袋を乗せ、クリスマス・イブに各家の煙突から忍び込んで子供たちの枕元にプレゼントを置いてくれます。実はこのイメージは、1822年に詩人クリーメント・ムーア(Clement Moore)が自分の家族のために書いた詩「ザ・ナイト・ビフォア・クリスマス」の挿絵として描かれたものでした。これが地元新聞や雑誌に取り上げられ、あっという間に国中に広まったのです。

この詩は現在もアメリカの子供達のベッドタイム・ストーリーとして愛されています。サンタクロースは北極圏の山奥に住んでいるということになっているため、ノルウェーやフィンランドなどには各国公認のサンタ・クロース養成校もあります。南国カリフォルニアやハワイでは、サーフィンやボートに乗って海から登場する現代的なサンタクロースもいるそうです。

a0038167_20491150.jpgブルーグラスでズバリ「サンタクロース」というと、そう、あの曲しかありませんよね? 古くからのファンにはビル・モンロウのLP「ブルーグラス・インストゥルメンタル」でビル・キースのクロマティック・スタイルのバンジョーに度肝を抜かれたことでしょう。彼がブルー・グラス・ボーイズ在籍中に2度のセッションが設けられ7曲を録音します。そのうちの6曲がキースのバンジョーをフィーチャーしたインストゥルメンタルでした。その中にこの曲が含まれていました。アラン・マンデも「フェスティバル・フェイヴァリッツ」というアルバムでこの曲を披露しています。

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by scoop8739 | 2005-12-17 20:49 | クリスマス・ソング
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