142 クリスマス・ソングをブルーグラスで (7)

赤鼻のトナカイ (Rudolph The Red Nosed Reindeer)

a0038167_933720.jpgオールディーズ・ファンにはお馴染みの曲、「可愛いベイビー」や「ルイジアナ・ママ」など60年代のアメリカン・ポップスを漣健児(さざなみ・けんじ)のペンネームで訳詞し、ヒットさせたのが草野昌一さんでした。草野さんは父親が創業した新興音楽出版社に入社後、同社が出版する雑誌「ミュージック・ライフ」の編集長に就任します。その傍ら、昭和35年に故坂本九さんのデビュー曲「ステキなタイミング」を訳詞したのを手始めに、「ヴァケーション」などアメリカン・ポップスを翻訳して日本人歌手にカバーさせ、“洋楽普及の父”と呼ばれました。

草野さんの訳詞した曲は400曲を超え、その功績が認められて平成10年に日本レコード大賞功労賞を受賞、翌11年には藍綬褒章を受章しています。プロダクション経営でもチューリップやあべ静江、プリンセス・プリンセスらを世に送り出しています。

その漣健児訳詞のポピュラーなクリスマス・ソングが「赤鼻のトナカイ」です。ところで、この曲の「♪真っ赤なお鼻の〜」という歌詞の中にとても気になる表現があります。それは、サンタのおじさんが笑いものにされているトナカイを、「♪暗い夜道はピカピカのお前の鼻が役に立つのさ〜」と慰めている有名な部分です。

皆さんもご存じの通り、サンタ氏がクリスマス・イブの夜に子供たちにプレゼントを配るために使用しているのは、トナカイが引いている(空飛ぶ)そりです。元々の伝説ではトナカイ8頭だてでそりを引いているようですが、後世になってから「ルドルフ」という名の赤鼻のトナカイがトナカイたちの先頭に加わり、その光る鼻で霧の夜を照らしつつ夜空を駆ける、という物語が創作されたようです。

ところが、仮にサンタ氏が夜間、赤鼻のトナカイの「赤鼻」による明るさのみに頼り、日本国中を前照灯もつけないでそりを走行させた場合、道路交通法上、間違いなく1万円以上5万円以下の罰金に処せられる可能性があります。みんなの夢を担うサンタさんが犯罪者となることのないよう、サンタ氏にはぜひとも前照灯を装備したそりで子どもたちの家々をまわってほしいものです。

a0038167_20331831.jpg冗談はさておき、この曲のオリジナルは世界でもっとも有名な歌うカウボーイ、ジーン・オートリーでした。なお漣健児訳詞のこの曲を1961年に我が国で初めてレコーディングしたのは坂本九とパラダイス・キングでした。以来、我が国でもっともポピュラーな歌詞はこれとなりました。ところで、ブルーグラスの世界でこの曲を歌っているのはリン・モリスです。彼女はシティ・リミッツ・バンドを皮切りに、タイミングのいいバンジョーを弾くプレイヤーです。また同時に彼女はシンガー・ソングライターであり、今やアリソン・クラウスに並ぶ女性バンド・リーダーでもあります。

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by scoop8739 | 2005-11-29 20:38 | クリスマス・ソング
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