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209 時系列で聴くカントリー・ジェントルメン (47)


フォークウェイズへの録音 (13)

ではアルバム「ゴーイン・バック〜」(長いので省略)のB面曲を紹介致しましょう。

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1曲目は「ブラウン・マウンテン・ライト」(Brown Mountain Light)は、前アルバム「ナッシュヴィルの監獄」(この時点ではまだ未発表でした)の5曲目に収録される予定でした。この曲はルル・ベルとスコット・ワイズマンの共作で、1960年代初期にキングストン・トリオによっても歌われヒットしています。また後には、クリス・ヒルマンの持ち歌としてヒルメン(The Hillmen)やバーズ(Byrds)、フライング・ブリトゥ・ブラザーズ(The Flying Burrito Brothers)にも持ち込まれました。歌の内容は、西ノース・キャロライナ地方に実在する実名の山の頂上で見られる不可解な灯りの起源を説明したものです。

「私たちは石器時代のビートルズです」とバンド紹介して始まる2曲目「エレクトリシティ」(Electricity) も前作同様、「ナッシュヴィルの監獄」3曲目に収録される予定でした。この曲は1951年にアラバマ州出身の歌手ジミー・マーフィーによって自作自演されました。なおこの曲は、エディがグループに持ち込んだようで、チャーリーがリード・ギター・プレイヤーとしての才能を遺憾なく発揮しています。

続く3曲目「ディキシーの夜明け」(Daybreak In Dixie)は、別名「バンジョー・イン・ザ・ヒルズ」(Banjo In The Hills)とも題され、ブルーグラスの世界では知らない人のいない定番インスト曲となっています。1957年にスタンレー・ブラザーズ&クリンチ・マウンテン・ボーイズのメンバー、ビル・ネイピアによって書かれ録音されています。ラルフのバンジョーと作者ビルのマンドリンの掛け合い同様、エディとジョンの激しいバトルが繰り広げられます。

サザン・オール・スターズの往年の名曲に題名だけ似た4曲目は「いとしのメリー」(Mary Dear)です。第一次世界大戦時の歌で、チャーリー・プールと彼のグループのギタリスト、ロイ・ハービーの作となっています。この曲のオリジナルのひとつにジーン・オートリーが歌ったものもありました。またジェントルメンの友人のビル・クリフトンも歌っています。ジェントルメンのスタジオ録音盤としては1970年リリースのアルバム「プレイ・イット・ライク・イット・イズ」(Play It Like It Is)まで待たなくてはいけません。

今回はここまで。残りは次回に。


by scoop8739 | 2017-08-19 15:58 | カントリー・ジェントルメン
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