198 時系列で聴くカントリー・ジェントルメン (37)


マーキュリーへの録音 (1)


ビル・クリフトンとの後半のセッションを終えての翌日、ジェントルメンは歴史的な録音に着手します。記録では9月5日と6日の両日にヴァージニア州フォールス・チャーチにあるピート・(カイケンダル)・ロバーツが持つウィンウッド・スタジオにおいて12曲を録音したとされています。

この時立ち会ったレベル・レコード社々長チャールズ・R・フリーランド氏は、以前からカントリー・ジェントルメンの音楽的志向に大変な関心と興味と情熱を抱いていました。

それは、彼らが前衛的な歩みを試みる面と、同時に非常にシンプルで判りやすい昔ながらの曲との、つまり新旧の最も良いところが結合したサウンドを創り出しているという点でした。

一方でフリーランド氏は日頃より、スターディ社がメジャーなレーベルであったマーキュリー社と業務提携し成長している様子を窺っており、シングル盤を発売するだけのレーベルからの脱却を図ります。そこで彼はジェントルメンをプロモートし、マーキュリー社に、この最も新しく録音された12曲の音源をもって業務提携を持ちかけます。

もちろんジェントルメンの方も、マーキュリーの持つ広範囲に亘る流通網に頼ることによって、彼らのパフォーマンスを広く知らしめたいという狙いがありました。

ところが、フリーランド氏の狙いは単に目下人気沸騰中のジェントルメンの売り出しだけでは終わらなかったのです。彼らを手始めにして、レベル社を単なるカントリー系からブルーグラス系レーベルへの切り替えを図ります。その後次々と、ラルフ・スタンレー、ダン・リノ、レッド・スマイリー、ビル・ハーレルらを自社のレコーディング・アーティストとしていき、押しも押されぬレーベルへと築いていったのです。

閑話休題。カントリー・ジェントルメンがマーキュリー・レコードに残したアルバムを紹介しましょう。

a0038167_16261433.jpg1963年11月に発売されたこのアルバムは「フォーク・セッション・インサイド」(Folk Session Inside)と題され、翌年4月には本邦での彼らの第2弾として日本フォノグラム(キング・レコード)より発売されました。

邦題「フォーク・ブルーグラス」と題されたこのアルバムは、初めて紹介されるや大評判となり、当時の学生バンドのほとんどがアルバムの中の曲をレパートリーに加えていたと言われています。

このアルバムではダイナミックかつエキサイティングな、一番油の乗り切っていた頃のジェントルメンの演奏が堪能できることでしょう。もちろん、今日でもジェントルメンを代表する名盤と言われています。


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by scoop8739 | 2017-07-19 16:49 | カントリー・ジェントルメン
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