197 時系列で聴くカントリー・ジェントルメン (36)


レベルへの録音 (8)

ビル・クリフトンとの二ヶ月に亘るレコーディング・セッションの間に、ジェントルメンは8月17日からマサチューセッツ州マーサズ・ヴァインヤードにあるライヴハウス「ムーンカッサー・コーヒー・ハウス」にてライヴを行います。この時に録音されたものが後にレベル社から発売される「イエスタデー・アンド・トゥデイ」(以降「Y&T」と表記)の3部作にそれぞれ残されています。

8月17日
トム・ドゥーリー (Tom Dooley)a0038167_11313235.jpeg
哀しみの男 (Man of Constant Sorrow)

8月18日
乙女の挽歌 (I Never Will Mary)
プレティー・ポリー (Pretty Polly)

8月21日コロンバス砦のブルース (Columbus Stockade Blues)
我が祖国 (This Land Is Your Land)
M. T. A. (M.T.A.)
神の子等 (These Men Of Gold)

順に曲を紹介しましょう。
「トム・ドゥーリー」は言わずと知れたキングストン・トリオが1958年に発表し大ヒットとなった曲で、ジョン・ダフィーがコミカルにキングストン・トリオのジョン・スチュワートを茶化しています。一方、スチュワートはダフィーを評して「バカ高い声を張り上げてりゃイイってもんじゃないヨ」と、言ったとか言わなかったとか? 「Y&T」vol.1に収録。

「哀しみの男」は、カーター・スタンレーの名唱で知られる伝統的なフォーク・ソングです。ダフィーのリード・ボーカルが素晴らしいです。「Y&T」vol.2に収録。

「乙女の挽歌」は、以前「Bluegrass at Carnegie Hall」でも取り上げていますが、カーター・ファミリーがレパートリーとしていた曲です。ナターシャー・セブン時代の高石ともやも取り上げていました。「Y&T」vol.1に収録。

「プレティー・ポリー」を歌うダフィーには独特の世界観があるようで、従来曲が持つトラディッショナルな雰囲気から逸脱し、自らの個性を楽しんでいるように思えます。「Y&T」vol.3に収録。

「コロンバス砦のブルース」は、間奏からセカンド・コーラスに入るところで転調するあたり、ジェントルメン独自のアレンジが利いている曲です。トム・グレイのベースに注目してください。「Y&T」vol.2に収録。

「我が祖国」は言うまでもなく、ウディ・ガスリーが自作自演したフーテナニーのテーマ曲のような曲です。ダフィーはこの曲がとてもお気に入りのようで、これ以降も何度もレコーディングしています。「Y&T」vol.2に収録。

次の「M. T. A.」もキングストン・トリオの1958年のヒット曲で、ボストンの地下鉄網に閉じ込められたチャーリーという人の不合理な物語を歌っています。日本盤「Y&T」vol.2のみ収録。

最後の曲「神の子等」もまた、「Bluegrass at Carnegie Hall」にも収録されていた曲です。この曲のようなセイクレッド・ソングの場合、彼らは自在なアレンジを行わず、堅実な演奏に徹しています。「Y&T」vol.3に収録。

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by scoop8739 | 2017-07-17 12:12 | カントリー・ジェントルメン
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