132 MOON SONGS (5)

どぶろく造り
(Moonshiner)

アメリカという国の歴史を紐解きますってぇと、1865年に南北戦争が南軍の降服で終わるや、北部の工業資本が南部のバーボン産業に進出し連続式蒸留器が登場します。このおかげでバーボンの生産は飛躍的に伸び、ジャックダニエル、ブラウン.フォーマン、エンシェント・エイジなど、大手企業や有名ブランドがこの頃に相次いで創業しました。

戦後のグラント将軍の時代は、マーク・トウェインなどのいう「金ぴか時代」で汚職が横行します。大統領側近も絡んだ「ウイスキー・リング」汚職事件では、大がかりな脱税で何百人ものウイスキー業者や官僚が告発されたのでした。都市化や個人主義の高まりで酒は大いに飲まれましたが、やがて弊害も広がって、禁酒、節酒運動が高まり酒税も高くなるなどして反動が拡大します。伝統的ピュリタリズム、ドイツ系移民の醸造界進出への反感などもあり、ついに1920年に禁酒法の突入となったのでした。

禁酒法はその狙いとは裏腹に、密造密売による膨大な利益をマフィアにもたらし、その勢力の拡大を助長しましたが、節酒には役立たず失敗に終わったのでした。その間にカクテルも大いに流行し、むしろアメリカ独特の酒文化が生まれました。しかし、禁酒法時代にもウイスキーは作られ続けています。それが密造酒だったのです。

a0038167_22302986.jpgこうした酒は、夜がきて月の光の中で造られたので「ムーンシャイナー」と呼ばれています。また霧深い谷でウイスキー造りをしていたことから、「マウンテン・デュー(山のつゆ)」とも呼ばれました。「ムーンシャイナー」も「マウンテン・デュー」もヒルビリーにとって格好の題材となり、人々に歌い継がれるようになります。今回取り上げた「ムーンシャイナー」はブルーグラスにアレンジされ、ピーター・ローワンのアルバム「ウォール・オブ・タイム」(1982年)の中で歌われています。(つづく)

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by scoop8739 | 2005-10-18 22:33 | 月をタイトルにした歌
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