122 ブルーグラスの中のビートルズ (15)

タックスマン (Taxman)

指がギターの弦を滑る音、咳払い、息を吸う音などスタジオの雑音を断ち切るように、1.2.3とカウントを数えてこの歌が始まります。作ったのはグループのギタリスト、ジョージ・ハリソンで、彼はこう歌います。最初の歌詞で「まず税金の仕組みについてお教えしましょう」と、慇懃無礼な言い回しでタックスマン(税金取り)のえげつなさをからかいます。

これはその当時、ジョージが彼自身に課せられた高額所得特別付加税の大きさに初めて気づいて驚いたのと同時に、実質収入のほとんどが税金でとられていることへの不満を歌にしたものです。しかしタックスマンはそれでも、死者に対して「まぶたに乗せる硬貨にも申告漏れのないように」だの、「車を運転したら、道路に税金をかけますよ」だのと、課税に容赦はありません。とどめの言葉が、「結局みなさんは、私のために働いている訳でして」と締めくくられます。誰でも税金を取られることに満足している人はいませんが、特にビートルズに対する課税の多さは半端ではありませんでした。

a0038167_1830315.jpgこの曲を若手ブルーグラス・バンドの先鋒ニッケル・クリークが歌っています。彼らは、シーン(g,vo)、サラ(f,vo)のワトキンス兄妹とクリス・シーリ(m,vo)というまだ20代前半の若い3人組ですが、ギター、マンドリン、フィドル、そしてベースというアコースティックな楽器を駆使したシンプルな構成と、3人の素直なヴォーカルとハーモニーで、ジャンルを超えた新鮮なポップスを聴かせてくれます。そしてこの曲の収録されているアルバムが「テルライド・ブルーグラス・フェスティバル・30イヤーズ」(Telluride Bluegrass Festival:30 Years)です。このフェスはさまざまな音楽ジャンルを含んだものとして有名ですが、彼らはこの曲をアップ・テンポにアレンジして、パワフルにロックしたブルーグラスとして聴かせてくれます。

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by scoop8739 | 2005-08-21 18:34 | ビートルズ・ソング
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