99 ミッドナイト・フライヤー

(Midnight Flyer)

ブルーグラスやカントリーには汽車をモチーフにした曲が数多くあります。開拓時代の象徴なのでしょうか、カントリー・ロックの時代となっても有名なところではドゥービー・ブラザースの「ロング・トレイン・ランニング」なんかがありますね。ブルース・ハープやギターのシャッフルを使って汽車の躍動感を表していますが、蒸気機関車の出す音には洋の東西を問わず感情移入を促す何かがあるのでしょう。今回の曲はそんな夜汽車を歌ったもので、あのイーグルスがたっぷりとブルーグラスしている曲「ミッドナイト・フライヤー」です。

a0038167_2013473.jpg1972年にデビューしたイーグルスは、一般的にはL.A.のカントリー・ロック・バンドとして受け入れられていますが、そのキャラクターを決定的にしたのがバーニー・レドンの存在でした。彼はL.A.のカントリー・ロック人脈図の頂点にあたるスコッツヴィル・スクワィエル・バーカーズからキャリアがスタートし、ハーツ&フラワーズ、ディラード&クラーク、そしてフライング・ブリトゥ・ブラザースと渡り歩いた後、イーグルス結成当時にはもっとも名の知られた存在でした。つまりバーニーの存在こそが彼らをL.A.カントリー・ロックの「血統書」付きのバンドとしてファンにアピールすることができたのでした。バーニーのバンジョーをフィーチャーした軽快なカントリー・ロック仕立てのこの曲は、イーグルスの3枚目のアルバム「オン・ザ・ボーダー」に収録されています。
Eagles / On The Border (Asylum)

この曲の作者として知られるのは、セルダム・シーンやリンダ・ロンシュタットに曲提供しているポール・クラフトです。イーグルスの演奏では、テンポを早くしてサビの部分の「ウー」を汽笛(警笛)のようにコーラスでアレンジしていますが、ポールは1人で歌っているからでしょうか、その雰囲気は意識していますがテンポを少し落として歌っています。
Paul Craft / Brother Jukebox (Strictly Country)

ボビーとソニーのオズボーン兄弟とマック・ワイズマンというブルーグラス界の大ベテランがガップリ四つに組み、さらにバディ・スパイカーのフィドルが加わって作られた1970年代後半の秀作アルバムが「エッセンシャル・アルバム」です。油の乗切った時期のマックとボビーの歌の巧さを、ソニーとバディが音楽面で見事に支え、2人にはピッタリのスタンダードな有名曲を中心に落ち着いた、しかもハイ・レベルのブルーグラス音楽が堪能できます。ここにもこの曲が収録されています。イーグルスとはひと味違った、いかにもブルーグラスらしい「ミッドナイト・フライヤー」が聴かれます。
Osborne Brothers & Mac Wiseman / Essential Bluegrass (CMH)

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by scoop8739 | 2005-05-26 20:03 | 不朽の名曲
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