97 ターン・ユア・レディオ・オン

(Turn Your Radio On)

a0038167_20322948.gif1971年、ジョン・ハートフォードは古い音楽を愛し演奏しながらも、最も先鋭的なロックとブルーグラスとの融合を少しも無理なく成し遂げました。それは彼がノーマン・ブレイク、タット・テイラー、バッサー・クレメンツ、ランディ・スクラッグスという、その当時もっともプログレッシヴなプレイヤーらと組んで作った「エアロ・プレイン」というアルバムで結実します。このアルバムでは後のニューグラスの雛形と言われるサウンドが聴かれます。

その演奏自体はブルーグラスそのものながら、ビル・モンロウのそれとは明らかに肌触りの違う革新的なものでした。この当時までブルーグラスはかなりきっちりとした様式を持つ音楽だったのですが、そういう中でのハートフォードの存在はいかにも異色の感じがします。録音されたテープはプロデューサーのデヴィッド・ブロンバーグの手によって都会的なセンスによる編集がなされますが、これはヒッピー・ブルーグラスとでも呼べるような奇妙な覚醒感があり、古臭いスタイルに包んだ反逆性、革新性は、今日のブルーグラスと比較しても決して古さを感じさせないものでした。

このアルバムのオープニングとエンディングに使われているのが標題曲の「ターン・ユア・レディオ・オン」です。ビートルズの「サージェント・ペッパーズ」のテーマ曲のような使われ方をしていますが、これによってアルバムのトータル性が強調されています。ちなみにこの曲は1938年にアルバート・E・ブラムリーが作ったゴスペル・ソングで、1972年にレイ・スティーブンスが歌ってメジャー・ヒットしています。
John Hartford / Aereo Plane (Rounder)

クリス・ヒルマンのソロ2作目は、カントリーのカヴァーを中心としたロッキン・カントリーでの演奏となっています。サウンドはクリスが直後に結成するデサート・ローズ・バンドの音楽性の基礎となりました。アルバムのラストを締めくくっているこの曲は、クリスとハーブ・ペダーセンとバーニー・レドンの3人による掛け合いコーラスが楽しい作品に仕上がっています。レドンのバンジョー、クリスのマンドリンも前奏や間奏ではかなり元気の良い演奏を聴かせてくれます。
Chris Hillman & Desert Rose Band / Desert Rose (Sugar Hill)

「マウンテン・デュー」や「トラジック・ロマンス」で有名なヒルビリー歌手のグランパ・ジョーンズもこの歌を歌っていました。1965年の録音です。
Grandpa Jones / Everybodys Grandpa (Box) (Bear Family)

ジャンルは違うのですが、戦前から戦後にかけてアンドリューズ・シスターズに代表される女性ジャズ・コーラスのグループのひとつにダイニング・シスターズがいました。このアルバムでは、アコーディオン、フィドル、ギターらによるシンプルなバックで、カントリー・ナンバーや古いフォーク、軽いタッチのゴスペル・ナンバーなどのキャッチーな楽曲をとてもチャーミングに歌い上げています。50年代初頭のカントリー・スタイルの一連の作品にこそ彼女達の個性や魅力がいっぱい詰まっている感じがします。アルバムのオープニング曲にこの「ターン・ユア・レディオ・オン」が収録されています。
The Dinning Sisters / Back In Country Style (Jasmine)

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by scoop8739 | 2005-05-19 20:40 | 不朽の名曲
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