95 ヴィクティム・トゥ・ザ・トゥーム

(Victim To The Tomb)

デヴィッド・グリスマン、ピーター・ローワン、ヴァッサー・クレメンツ、ジェリー・ガルシア、ジョン・カーンからなる「オールド&イン・ザ・ウェイ」は、70年代前半にサンフランシスコで活躍した幻のセッション・バンドでした。

a0038167_217457.jpgそんな彼らが約30年ぶりに集まって作ったのが「オールド&イン・ザ・グレイ」です。タイトルの意味は、白髪混じりとなった彼らの現在の容貌を洒落たものだそうです。故人となったガルシアに替わってバンジョーにハーブ・ペダースン、ベースのカーンに替わってブライン・ブライトとメンバーに若干の交替がありますが、ほとんど昔のメンバーで新録音に挑んでいます。

このCDには、グリスマン、ローワン、クレメンツを中心にした彼らのブルーグラスに対する熱き想いが込められていて、ビル・モンロウ、スタンレー、カーター・ファミリー、ドン・リーノウ、ルーヴィン・ブラザーズといった先人たちの作品に加えて、亡くなった同世代のプレイヤーの作品も取り上げ、極上のブルーグラス・サウンドを提供してくれています。「ヴィクティム・トゥ・ザ・トゥーム」はカントリー・ジェントルメンのオリジナル・メンバー、ジョン・ダフィーの数少ないオリジナル曲のひとつでした。
Old & In the Gray / Old & In the Gray (Acoustic Disc)

ニューグラスの寵児サム・ブッシュをして「ニューグラスの父」と言わしめたジョン・ダフィーは、1960年代に大活躍したモダン・ブルーグラスの急先鋒「カントリー・ジェントルメン」を率い、1970年代になるとニューグラス時代の中心的バンド「セルダム・シーン」のリーダーとして常に時代を牽引してきた革新的な巨人のひとりでした。この曲は彼がジェントルメン時代に作ったものですが、父親の死に対する哀惜の念をうまく表現している名曲です。
The Country Gentlemen / Folk Songs & Bluegrass (Smithsonian Folkways)

カントリー・ジェントルメンとは同じレーベルなのですが、バンジョー奏者ピート・カイケンダル繋がりで交流がありそうでなかったのがレッド・アレンでした。彼の独特のハスキーなボーカルは、テナーに廻ったときにより「ハイ・ロンサム」なムードを漂わせました。長年のパートナーであったマンドリンの奇才フランク・ウェイクフィールドとのデュエットを多く含んでいるものがフォークウェイズに残されています。この中にもダフィーの名曲が収録されています。
Red Allen / The Folkways Years 1964-1983 (Smithsonian Folkways)

ボストン、ニュー・イングランドのブルーグラス・シーンで、カントリー・ジェントルメンに続けとばかりにデビューしたのがチャールズ・リヴァー・ヴァレー・ボーイズでした。彼らは、ボストンとはチャールズ川をはさんだ向かいの学園都市ケンブリッジで、ハーバード大学の学生バンドからスタートし、ヒルビリー・テイストのアーリー・ブルーグラスを中心に、トロピカル・ソングやカントリー・ヒットなどもとりあげていました。オールドタイム・ストリング・バンド・スタイルも大きく採り入れて、とても都会の若者たちとは思えない泥臭い演奏を聴かせています。そんな彼らがジェントルメンのこの曲をもレパートリーに加えていました。
The Charles River Valley Boys / Bluegrass And Old Timey Music (Prestige)

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by scoop8739 | 2005-05-14 21:10 | 不朽の名曲
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