93 アイ・ウイッシュ・ユー・ニュー

(I Wish You Knew)

ボリック・ブラザース、モンロー・ブラザース、デルモア・ブラザースなどの兄弟デュオをお手本にして、アイラとチャーリーのルーヴィン兄弟がデュオを組んだのは1930年代でした。50年代になるとカントリー音楽のサウンドに変化が起こりますが、この時期にルーヴィン兄弟の活躍が始まります。なんと10回ものオーディションに挑戦した結果、1955年にグランド・オール・オプリーの出場を果たすこととなります。

a0038167_19521299.jpg彼らの特徴は革新的なヴォーカル・ハーモニーで、それは弟チャーリーのテナーと兄アイラの女声ばりのハイ・テナーとによる美しいデュエット・コーラスが魅力的でした。また曲作りにも大いなる才能を発揮しました。彼らの活躍は1963年に解散するまで続きますが、その後のカントリー、ロックに多大な影響を及ぼしたことでも有名です。
The Louvin Brothers / Radio Favorites 1951-57 (Country Music Foundation)

ルーヴィン兄弟と頻繁に交流していたのがジム&ジェシーのマクレイノルズ兄弟でした。この二組のグループは、スタイルの上からも、レパートリーの上からも、相互に近似していたという事情もあったのでしょうが、ジム&ジェシーは何度もルーヴィン兄弟の卓越した作曲のおかげを受けてきました。この曲もある意味、ジム&ジェシーのために書かれたようなものでした。
Jim & Jesse, Bill Monroe / Bean Blossom (MCA)

この曲というとこのグループと言われるくらいに定着したのがカントリー・ガゼットでした。彼らのデビューアルバム「パーティの裏切り者」の3曲目にこの曲が収録されていますが、軽快なフィドルのイントロに続いて、これぞウェスト・コースト・ブルーグラスという爽やかなハーモニーで歌われます。リード・ボーカルをとっているのはハーブ・ペダーソンでした。
Country Gazette / A Traitor In Our Midst (BGO)

初代ジョン・スターリング、二代目フィル・ロゼンタルに続いて、中期以降のセルダム・シーンを支えたリード・ボーカリストがルー・リードでした。彼はリード・ギター以外にもフィドルやマンドリンをも巧くこなすマルチ・プレイヤーです。そんな彼と同時期にシーンで活躍していたベーシストのT.ミッチェル・コールマンと、ドブロのマイク・オウルドリッジが加わって、1989年に「ハイ・タイム」というアルバムをリリースしています。この曲もアルバムに収録されています。ドブロのイントロに続いてコーラスが始まります。他のアーティストのものと比べると、すこしゆったりとしたテンポの仕上がりになっています。
Auldridge Reid & Coleman / High Time (Sugar Hill)

カール・ジャクソンのプロデュースで、エミルーやジェイムズ・テイラー、アリソン・クラウスなどが参加したルーヴィン・ブラザーズへのトリビュート盤がリリースされています。タイトルは「生きること・愛すること・失うこと」とでも訳すのでしょうか、マーティン・スチュアートとデル・マッカリーのデュエット曲「レット・アス・トラベル,トラベル・オン」など小気味良い演奏などが聴かれるこのアルバムは、第46回グラミー賞で最優秀カントリー・アルバムを受賞しただけでなく、4曲目のジェイムズ・テイラーとアリソン・クラウスの共演曲は、「ベスト・カントリー・コラボレーション」にも選ばれています。もちろんここでも「アイ・ウイッシュ・ユー・ニュー」を、娘さんでしょうか(?)キャシー・ルーヴィンとパメラ・ブラウン・ヘイズのデュエットで聴くことができます。
Various Artists / Livin', Lovin', Losin'- Songs of the Louvin Brothers (Universal South)

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by scoop8739 | 2005-05-09 19:53 | 不朽の名曲
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