79 刑の終わるその日まで

(Doing My Time)

a0038167_19431262.jpg観客の歓声の後、ベン・エルドリッジの華麗なバンジョー・イントロに続いて、ジョン・スターリングが歌いだします。そこへジョン・ダフィーのコーラスが被さり、さらにリフレインのソロまで歌います。マンドリンの間奏後のソロはダフィーからで、リフレインに入るとおもむろに登場して来たのがマイク・オルドリッジです。そしてバンジョーの間奏の後は最初と同じ組み合わせとなります。そうです、これはおなじみセルダム・シーンの名盤「ライヴ・アット・セラー・ドア」の1曲目で演奏されている「刑の終わるその日まで」(Doing My Time)です。さらに演奏は続きます。

ドブロの間奏後にダフィーの一段と高いテナーが響き渡り、続くリフレインでは珍しくトム・グレイが登場してきます。ダフィーに茶化されてトムもお返しを一発、メンバー総出演後はダフィーの一人舞台でエンディングとなります。各楽器と歌のバランス、これぞセルダム・シーンのサウンドの特性であり魅力なのです。
Seldom Scene / Live At The Cellar Door (Rebel)

この曲はジミー・スキナーの作で、古くは1951年10月にフラット&スクラッグスがマーキュリー盤の録音で取り上げて有名になりました。
Lester Flatt & Earl Scruggs & The Foggy Mt. Boys (Mercury)

映画「オー・ブラザー!」現象で、あちこちのレーベルが倉庫を探しまわってブルーグラスやオールド・タイムの音源をリリースするようになりました。このブームがなければこれらの音源は誰にも聴かれることがなかったかもしれませんが、マンドリン奏者にして熱烈なブルーグラス愛好家であるデヴィッド・グリスマンは、自らの遺したぼう大なテープのストックを掘り起こして、それまでリリースされたことのなかったトラックを選び出しました。これらはブルーグラスの大家たちと共に録音したもので、マック・ワイズマン、デル・マッカリー、ラルフ・スタンレーらが参加しています。このアルバムでは、今は亡きジョン・ハートフォードのバンジョーとグリスマンのマンドリンの素晴らしいデュエットでこの曲が聴けます。
David Grisman / Life Of Sorrow (Acoustic Disc)

天才サム・ブッシュ(フィドル、マンドリン、ヴォーカル)、コートニー・ジョンソン(バンジョー)、カーティス・バーチ(ギター、ヴォーカル)、ジョン・コーワン(ベース)の4人からなるニューグラス・リバイバルの活動は1972年に遡るのですが、長髪でジーパン姿の若者が、いわば保守的ともいえるブルーグラス音楽にロックを融合させたことにその成功を見ることができます。そんな彼らが、1975年と1977年にスタジオ録音した2つのLP「When The Storm Is Over」「Fly Through The Country」を1枚に復刻した贅沢なCDがあります。この中にもこの曲が収録されています。革新的な即興演奏を取り入れたロック・フィーリングにあふれた仕上がりとなっています。
New Grass Revival / When The Storm Is Over & Fly Through The Country (Flying Fish)

僚友サムに負けじとばかりにトニー・ライスも頑張っています。まるで「ミュール・スキナー・ブルース」のイントロを思わせるようなギターからスタートするこの曲は、若きトニーの気負った感じの歌いっぷりがなかなかいいですね。
Tony Rice / Guitar (Rebel)

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by scoop8739 | 2005-04-05 19:44 | 不朽の名曲
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