75 ソルティ・ドッグ・ブルース

(Salty Dog Blues)

早口ソングのようなこの歌は、1939年にモリス・ブラザーズが作曲し録音しています。フラット&スクラッグスが、ブルー・グラス・ボーイズから独立後の1951年にレパートリーに取り入れてから有名になりました。ここでのリード・ボーカルはいつものレスター・フラットではなくフィドルのベニー・シムスでした。

「Salty Dog」とは、当時人気のあった飲み物か,あるいはそれにちなんだ酒場の名前のことと言われています。しかしそれ以前、1930年にアレン・ブラザーズが「A New Salty Dog」として録音していて,その一人リー・アレンによると、「Salty dog」の定義は「俗っぽく,世の中をいい加減に生きる男」だったことが記録されています。

a0038167_1959752.jpgフォギー・マウンテン・ボーイズ絶頂期の1962年12月、カーネギー・ホールで行われた彼らのライヴのオープニングにこの曲が取り上げられています。レスター・フラットの曲紹介の後、間髪を入れずイントロに入るアール・スクラッグスや、ポール・ウォーレンの切れ味鋭いフィドルなど聴きどころ満載のアルバムです。LPでは13曲が収められていましたが、CDではなんと32曲も収録されています。録音も良好で、特にウッドベースは、特有のこもった感じがなくメリハリがあり心地よく聴こえます。
Lester Flatt & Earl Scruggs & The Foggy Mt. Boys / At Carnegie Hall (Koch)

1964年の夏のある日、ローランド・ホワイトが不在のときにケンタッキー・カーネルズの残る3人が友人宅のリビング・ルームでのリハーサルをテープに収めていました。ここではステージでのホットなアドリブ演奏とは違う、アルバム作りにも近い丁寧さが垣間見られます。ただし、録音は良くないしローランドもいません。またアルバム構成もされていませんが、アルバム作りに近い姿勢で録音された貴重な録音だと思います。ローランドのマンドリンがない代わりに、クラレンスのギターが火を噴き、ベースのロジャーがバンジョーに持ち替えてのビリー・レイ・レイサムとのツイン・バンジョーを披露するなど、リラックスした中でさまざまな曲を楽しんでいます。アルバムの1曲目に「シャッキン・ザ・コーン」が収録されています。
Latham, Bush & White / Rare Performances (Shikata)

「世の中をいい加減に生きる男」のことを、可愛いホワイト・シスターズが少しアレンジを加えたリズムで歌います。転がるようなジャック・ヒックスのバンジョーと、これまた鈴を転がしたようなバック・ホワイトのマンドリンがいい感じです。
Buck White & The Down Home Folks / Live At Pickin’ Parlor (County) (CD化されていません)

デヴィッド・グリスマンがすべての曲でマンドリンを弾くというコンセプトのセッション・アルバム「心の故郷」の中にもこの曲が収録されています。ただしタイトルはグリスマンをもじって「Salty Dawg Blues」です。ここではグリスマンとトニー・ライスが交互にリードをとり、フラット&スクラッグス盤(Mercury)を再演しています。J.D.クロウの典型的なスクラッグス・スタイルのバンジョーと、サム・ブッシュのフィドルがさすがに貫禄を感じさせます。
David Grisman / Home Is Where The Heart Is (Rounder)

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by scoop8739 | 2005-04-01 20:00 | 不朽の名曲
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