カントリー・ジェントルメンの初代バンジョー奏者ビル・エマーソンは、ジミー・マーチンのバンドを経て、1960年代半ばにはケンタッキー・ジェントルメンというバンドにいました。1967年、このバンドにクリフ・ウォードロンというギター弾きが入団してきて2人は意気投合し、68年7月には念願のバンドを立ち上げたのでした。新しいバンドの名前は「リー・ハイウェイ・ボーイズ」と名乗り、同年暮にはレベル・レコードとの契約に成功してデビューします。ちなみにこのアルバムにはリード・ギターとしてジョン・ダフィーが特別参加しています。
1969年頃からはメンバー移動も収まり、クリフ(ギター、リード・ボーカル)、ビル・エマーソン(バンジョー、テナー・ボーカル)のほかは、マイク・オールドリッジ(ドブロ、バリトン・ボーカル)、ビル・ポフィンバーガー(フィドル)、エド・フェリス(ベース)に定着します。 彼らは1969年から70年に間にさらに2枚のアルバムを残しています。レパートリーの多くはカントリー・ジェントルメンが志向したようなコンテンポラリー・ロック、ソウル、カントリーから多くを取り入れていて、もっとも有名なものはイギリスのロック・バンド、マンフレッド・マンの「フォックス・オン・ザ・ラン」をアレンジした曲でした。クリフのカントリー・タッチのボーカルと、ジミー・マーチンに鍛えられてより精密でドライブ感あふれるサウンドを聴かせるようになったエマーソンのバンジョーに加えて、マイクの哀愁感が織り成す華麗な響きのドブロとで、D.C.エリアでもっとも新しいサウンドを聴かせるバンドとして人気を集めるようになったのです。 1970年5月、エマーソンがエディ・アドコックの抜けた後釜として、古巣のカントリー・ジェントルメンに移ることとなりバンドは解散の憂き目を見ますが、バンド再建にかけるクリフの熱意でバンドは新編成されました。バンジョーにベン・エルドリッジ、マンドリンとテナー・ボーカルにマイクの兄のデイヴ・オールドリッジを加え、クリフがリーダーとなって「ニュー・シェイズ・オブ・グラス」が誕生したのでした。バンドはD.C.エリアのライヴ・スポットで活動しながら落花流水のような独自のサウンドに磨きをかけていきます。 The Best of Cliff Waldron (Rebel ) 1. Wash My Face in the Morning Dew 2. I'm Lonesome Without You 3. Four Strong Winds 4. Sunny Side of My Life 5. Falling Leaves 6. Thinking About You 7. Ice Covered Birches 8. Satan's Jeweled Crown 9. Your Love Is Like a Flower 10. Violet and the Rose 11. Brand New Wagon 12. Silver Wings 13. I'm Lost and I'll Never Find the Way 14. Veil of White Lace 15. Loving You So Long 16. Close the Door Lightly When You Go 17. Nobody's Love Is Like Mine こうしたレコードでの人気によってフェスティバルへの出演やライヴ・ハウスの出演量が増えてくると、逆にメンバーの中のパート・タイム・ミュージシャン、ドブロのマイクとバンジョーのベンが昼間の仕事を維持できなくなるためにバンドをやめざるを得なくなります。 彼らはセミプロとしての活動を希望していたので、彼らの実力を買っていたレベル・レコードの社長ディック・フリーランドは、カントリー・ジェントルメンをやめた後に楽器のリペアをやっていたジョン・ダッフィーに相談します。こうして着々と大きなプロジェクトが始動しはじめたのでした。 (次回につづく) 人気blogランキングへ
by scoop8739
| 2004-09-13 09:25
| ブルーグラスの歴史
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