そして忘れてはいけないのがビートルズ人気を抑えて男子に人気だったのがベンチャーズでした。今考えると彼らは結構オジさんバンドだったのですが、少年たちの間にエレキブームを巻き起こします。有名な曲では「ダイヤモンド・ヘッド」「キャラバン」「10番街の殺人」など枚挙にいとまありません。このブームを受けて、加山雄三主演映画『若大将シリーズ』で「エレキの若大将」(1965年)が上映されました。 もちろんミーハーな私は中学2年の冬休みに友達を誘って封切館で観てきました。併映は『怪獣大戦争』です。この2本立ては私にとって黄金のコンビでした。レコード盤で言うところの両A面みたいなものですね。余談ですが、『若大将シリーズ』は今でもBS放送で観ることができます。しかし『怪獣大戦争』は残念ながらなかなか放映されません。
さてビートルズ人気は世界中で頂点に達し、とうとう彼ら主演の映画が作られます。その映画『ハード・デイズ・ナイト』(A Hard Day’s Night)、邦題『ビートルズがやって来る。ヤァ!ヤァ!ヤァ!』が我が国で上映されたのは1965年8月のことでした。新聞には、上映館には長い行列ができたとか、熱狂的な女性ファンがスクリーンに飛びついたとか載っていて、少年の気持ちを昂らせたものです。しかし学校では中学生が観る映画ではないとされ、私はただ指をくわえて想像の世界に思いを巡らせるしかありませんでした。 そんな私の気持ちを察したのか、翌年9月の始業式の日、兄がちょうど近くの街の名画座で上映されていたこの映画に私を誘ってくれたのです。もちろん学校には内緒のことでした。映画はモノクロとはいえ、動くビートルズを初めて観た感動はずっと私の心に残っています。 #
by scoop8739
| 2024-02-08 10:58
| エッセイ
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